知りたいことがきっとわかる! 道徳教育Q&A

河合宣昌 著
日本文教出版
1500円+税

「特別の教科 道徳」のスタートに当たって本書が示すのは「考え、議論する道徳」「自己を見つめる」「道徳諸価値について理解する」など、新たに打ち出されたキーワードの詳しい解説。著者は公立小学校の元教員。長年にわたり道徳教育を研究し続け、積み上げた実践を一冊にまとめた。

学校現場で道徳教育の難しさに直面する教員や、授業を観察し指導・助言する立場にある指導主事が持つ悩みを解決するため、著者がこれまでに受けた質問を基に、Q&A形式で構成されている。質問は▽道徳科の目標▽学習指導の過程▽教材の分析と活用▽価値への方向付け▽板書の構成の仕方▽ねらいを明確にした「書く活動」――などに分類され、読者が抱えている困難に応じ、即座に具体的な方策が導き出せるよう工夫されている。

「小学校高学年の『正直・誠実』では、どのような発問構成にしたらよいか」という疑問に対しては、発達段階を踏まえた授業のねらいを明確にした上で、価値理解を深める補助発問を具体的に示し、どうしたら中心発問でねらいに迫れるかを明確に回答している。

小学校の道徳教育などを研究する畿央大学の島恒生教授は本書を「道徳教育や道徳科の授業作りの悩みや不安に、丁寧かつ具体的に応えてくれる。『なるほど』『おもしろい』『納得』の本」と評価する。新しい道徳教育の進め方を模索する教員や指導主事、学生に一読の価値がある。