スクールカウンセラーのビリーフとアクティビティ

稲垣応顕・坂井祐円 編著
金子書房
2200円+税

スクールカウンセラー(SC)とはいったい何か、彼らはどのような信念を持って学校に関わっているのか。5人の現職SCが自らの経験を基に、SCの在り方と活動の本質を問い直す。

第Ⅰ部ではビリーフ(信念)、教育との関わり方の視点から、カウンセリングとSCの課題に言及する。SCが自認する業務の守備範囲と、教師、学校から期待される役割の間に生じるズレは、カウンセリングの本質やSCの位置付けの曖昧さにあると指摘。学校のカウンセリングには心理臨床でうたわれてきた「治そうとするな、教えようとするな。解ろうとせよ」ではなく、子供が社会からつまはじきにされぬよう駄目なものは駄目だと直し、分からないことは教え、その上で心理や言動の背後にある「何か」を解ろうとしながら関わることが重要と述べる。

第Ⅱ部は2016年に開催されたシンポジウムの登壇者3人が自身の経験から「SCのあるべき姿」を論じ、第Ⅲ部は教師をはじめとする読者に向けた執筆陣からのメッセージという形態をとっている。補佐役的な存在であるSCがいかに学校集団にアプローチできるか、どうすれば学校現場でSCが効果的に活用されるようになるかを提言。その一つ一つから、チーム学校の一員としてうまくSCが機能していない現状へのジレンマが感じ取れる。

SCにとっては自らの存在意義を考える契機となり、教員にはSCへの理解を深める一助となる。