MINERVA はじめて学ぶ教職(6)教育社会学

飯田浩之・岡本智周 編著
ミネルヴァ書房
2200円+税

いじめや学力向上、学校と地域との関係など、昨今の教育現場が抱える諸課題に、本紙読者は多かれ少なかれ当事者として関わっていることだろう。多くの業務に忙殺される中だからこそ、やや高い位置から自分自身の立ち位置を確認し、針路を見定める必要がある。その見方・考え方を私たちにもたらしてくれる学問が「教育社会学」である。

教職課程に準拠した教員志望者向けのテキストとはいえ、側注の充実ぶりや章末の学習課題、さらに深く学習したい人に向けた参考図書など、すでに学校現場で働く教員にとっても教育を「学び直す」ための入門書になる。

教師・児童生徒の役割の変遷、高等教育の費用負担、能力主義と学歴、マイノリティー、ジェンダー、スクールカーストなど、現代の課題の捉え方を教育社会学の視点で解説している。自身が直面している問題、関心のあるテーマから読み進めていくのもよいだろう。そのテーマはいつ頃から社会で認識されるようになり、どう議論されてきたのか、現在進められている政策がどのような影響をもたらす可能性があるか。テキストを基に自分なりに考えを巡らせてみると、普段当たり前に眺めている学校の風景が異なるものに見えてくるはずだ。

「べき論」で語られがちな教育において、目の前で起こっている現象を俯瞰(ふかん)的に捉えるために「教育社会学」が果たす役割は大きい。