笑育(わらいく)「笑い」で育む21世紀型能力

松竹芸能事業開発室「笑育」プロジェクト 著
毎日新聞出版
1500円+税

松竹芸能が開発する、笑いと教育を掛け合わせたプログラム「笑育」。8~9月に本紙連載「漫才づくりが教育を変える」を担当した、東京理科大学の井藤元准教授が監修した。笑育の理論や学校での導入事例について解説、紹介する。

プロの芸人が講師となり、児童生徒、教員を目指す大学生などに「笑い」の基礎を教える。単純に面白そうだが、ただ笑えるだけではない。小手先のテクニックではなく、笑いを生み出すための根本的な姿勢・態度を教え、21世紀を生き抜く上で求められる力を育む教育プログラムだ。

「コミュニケーション力」「プレゼンテーション力」「発想力、想像力」「論理的思考力」など、笑育で培われる能力は多岐にわたる。「ネタ作り」では、自らと向き合い、自分を知る自己分析の方法を習得したり、ボケとツッコミという分かりやすいポジションを意識したりすることで、社会に出たときに、より複雑になった役割分担をスムーズに把握できる。他にも「あいさつの徹底」「他者に対して興味、関心を持つ」「言い回しの工夫」など、笑いを通して社会で役立つスキルを身に付ける。

対象は未就学児から社会人までと幅広い。これからの教員に求められるのは、児童生徒がよりよく問いと向き合うための「つなぎ」となれる、ファシリテーター的役割。笑育を通して「空気を変える力」や「どんな相手とも協同する力」を身に付ければ、21世紀に求められる教員に近づけるはずだ。