ソロモンの白いキツネ

ジャッキー・モリス 著/木内達朗 絵
あすなろ書房
1200円+税

交通事故で母を亡くし、父と2人でシアトルに暮らす少年ソルは、両親ゆずりの黒い髪や目をからかわれ学校になじめない。楽しみはふるさと・アラスカの祖父母から、毎週水曜日に届く手紙だった。ある日父が働く波止場に、いるはずのないホッキョクギツネがあらわれた。ひとりぼっちのキツネに自分の境遇を重ねたソルは心を通わせるようになり、キツネをふるさとのアラスカに帰しにいきたいと父に願い出る。

ソルの母親を亡くした悲しみから立ち直れない父親、文字は書けなくても孫との交流を続けた祖父母、そしていじめの対象になっているソル。それぞれの悲しみが白いキツネによって表面化され、ぶつけ合うことで新たな関係性を築いていく。家族と過ごす時間が少なくなっている子供も多いが、会話の大切さを思い出させてくれる。