3法令から読み解く 乳幼児の教育・保育の未来

無藤隆、汐見稔幸、大豆生田啓友 編著 中央法規
1800円+税

昨春改訂・告示された幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の3法令。健康な心と体、自立心、言葉による伝え合いといった「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を提示し、小学校就学に備えて育みたい資質や方向性をまとめた点に特徴がある。

そんな3法令の理念や目標、現場での取り組みについて、改訂に関わった有識者と各園の園長、保育士らが互いの立場から論を交える。今後の幼保教育の方向性の理解と新たな実践開発に役立つ。

白梅学園大学大学院の無藤隆特任教授は、幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿を「単に能力や成果ということではなく、さまざまな活動を通して現れる子供の具体的な姿を示している」と説明。同時に10の姿は、この全てを育てるという到達目標ではないと強調する。「『育ってほしい』と表現しているのは完成ではなく、向かうという意味。幼児教育の大きな方向性を示すもの」と、その意味するところを解説する。

また現場の意見は、10の姿を指導につなげる際、具体的にどのような点に注意すべきか参考になる。横浜市の港北幼稚園の渡邉英則園長は「使い方に気を付けたい。子供の課題だけに目がいき、補習や克服策の強化だけに結び付くのは怖い」と警鐘を鳴らす。

双方のやりとりを通して法令の理解が深まる。現場の実践者にとって良き1冊になりそうだ。