専手必笑! インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり

関田聖和 著
黎明書房
1800円+税

障害の有無にかかわらず、全ての児童が同じ場で共に学ぶインクルーシブ教育。共生社会の実現を目指し全国で実践が進められているが、多くの学校現場では手探りが続いているのではないだろうか。本書はその概念から困っている子供の背景理解と実態把握の手だて、具体的な学級・授業づくりの方策まで、押さえておきたい六つのポイントについて解説する。

第2章ではインクルーシブ教育を進めていく上で欠かせない「基礎的環境整備」と「合理的配慮」を取り上げる。義務化されてはいるが、理解を誤ると「障害者だけが得をしている」という受け止め方をされかねない「合理的配慮」について、必要な二つの視点を詳述。学校現場でぶつかりやすい課題であるだけに興味深い。

第6章では教科別に、学習に困っている子供への手だてを掲載。例えば算数で「空間図形のもつ性質を理解することが困難な子ども」に対してどのような指導をすればよいか、ポイントを明示して具体的に助言する。現役教員であり、特別支援教育士・特別支援教育コーディネーターである著者が示す方策は、実践的で分かりやすい。

各章共ポイントが端的にまとめられており、平易な言葉で書かれているので多忙な教師でも読み進めやすい。「インクルーシブ教育といっても実際はよく分からない」と感じている教員にとっては、導入編として理解を深める手掛かりになる。