先生がつぶれる学校、先生がいきる学校

妹尾昌俊 著
学事出版
1800円+税

「授業の準備をする時間が足りない」と答えた教員は、小学校94・5%、中学校84.4%、高校77.8%――。本書が示すデータだ。「この20年間、学校の長時間労働に、私たちは何をしてきたのか」と著者。教育現場を冷静に観察し、現状を的確に踏まえ、行政や学校に対し現実的かつ論理的な提言をする。

本書は2015年に刊行された「変わる学校、変わらない学校・学校マネジメントの成功と失敗の分かれ道」の実践編となる。現場教員により寄り添った視点で、学校の課題を突き付けながら、解決に向けた糸口を示している。

著者が特に問題視するのは、学校が相互不干渉な職場になることだ。「個業化」と表現しながら、「忙しさを言い訳にお互いのことに関心が薄くなってはいないか」と警鐘を鳴らす。学校がチームとして機能するためにはどうしたらいいか、研究成果やデータ分析、先進的な事例に基づいて具体的な方策を示している。

「教員の過労死」「ブラック部活」「つらい立場の教頭」といった、多くの学校が直面する現実的な課題に切り込みながら、解決の糸口を探る。

基本的なスタンスは「あなたならどう考えるか」「あなたの学校ではどうか」だ。読者が自分事として、今の教育現場が抱える課題を捉え、行動に移す橋渡しをする。「変わる学校」「思いを実現する学校」「先生がいきる学校」を目指し、今できることを知りたいと感じる教員に読んでほしい。