考える力を高める国語科の授業づくり 「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

中村和弘、大塚健太郎他 編著
文溪堂
2000円+税

新学習指導要領が掲げる「主体的・対話的で深い学び」を実現するため、小学校の国語科では、言葉を使って考える授業の充実が求められている。そうした授業実践に向け、実際に教室で展開された取り組み例を中心に紹介、解説している。

第1章「国語科授業のつくり方」では、当初の学習指導計画と実際の授業をビフォーアフターで比較し、その変遷の記録が示されている。板書や児童らの様子など写真を多用し、授業の流れを丁寧に追った構成で非常に分かりやすい。工夫した点や、児童が考えを深める要所を「ポイント」として挙げているのも理解の助けとなる。

第2章の「実践編」は、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」と、「考える」を関連付けた各学年の授業実践が収載されている。「話すこと・書くこと」に絞った6年生の授業は、「30年後の世の中がどうなっていてほしいか」をテーマに短冊に自分の思いを書かせ、それを基に全体で話し合う展開。意見を言語化すること、児童同士で意見交換することを通して考えが深まっていく様子が分かり、興味深い。

授業づくりの舞台裏に迫るインタビューや、著者である中村氏、大塚氏と現職の公立小校長である前田元氏の鼎談(ていだん)など、実践例以外のページも多彩で読ませる。子供たちにより質の高い学びを提供したいという、教員らの熱意が伝わってくる。