スポーツ庁が策定作業を進めている「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」の骨子が、1月16日に開かれた作成検討会議で示された。ガイドラインの前文では、運動部活動の教育的な意義やスポーツ振興に果たす役割に触れつつも、少子化や教員の負担増加などから、これまでの部活動は「学校や地域によっては存続の危機にある」と指摘。部活動を持続可能なものとするために、抜本的な改革に取り組む必要があるとした。会議では、鈴木大地スポーツ庁長官も「教員の負担軽減を前提とした上で、生徒がいかにいい形で部活動ができるか、これからの部活動の在り方をどうするのかを考えていきたい」と述べた。

共に民間出身である、横浜市立中川西中学校の平川理恵校長と、札幌新陽高校の荒井優校長による対談「膨張する公教育」の第2回。これまでの公教育がもたらした、学校現場の「思い込み」について語り合った。コーディネーターはTeacher's Lab.代表理事の宮田純也氏。

生徒指導や部活動、増え続ける「〇〇教育」など、学校現場の役割や負担は年々大きくなっていく。風船のように膨張する公教育をこのままにしていいのだろうか。横浜市立中川西中学校の平川理恵校長と、北海道の私立高校、札幌新陽高校の荒井優校長は、共にリクルート出身の民間人校長という共通点がある。 Teacher's Lab.代表理事の宮田純也氏がコーディネーターとなり、学校の外と内の両方の視点から、膨張する公教育に穴を開ける2人の学校経営にスポットを当てる。全5回。

「情報発信と研究の充実を進める」全国連合小学校長会 種村明頼会長(東京都新宿区立西戸山小学校長) 「今まで以上に小中連携が重要に」全日本中学校長会 直田益明会長(東京都世田谷区立芦花中学校長) 2017年は新学習指導要領の告示、働き方改革の本格的な議論開始など、学校と教員を取り巻く状況の大きな変化が始まった年だった。18年は小・中学校とも4月1日から新学習指導要領の移行期間となるなど、その変化はより加速する。「教育改革」「学校の働き方改革」などの諸課題に、現場はどう取り組むか。全日本中学校長会の直田益明会長と全国連合小学校長会の種村明頼会長が対談し、18年の展望を語り合った。 ■2017年を振り返って 種村 新学習指導要領が昨年3月に告示され、7月に移行措置が示された。次年度以降の教育課程編成や学校の働き方改革の対応等、小学校にとってはとても重要な1年だった。今年も引き続き、外国語の実施を含む新学習指導要領への取り組み等、しっかり対応していきたい。 直田 新指導要領の下でどのようにしていくか、中学校でも対応を考えていく。中学校特有の課題として、部活動を含めた働き方改革がある。また、いじめ問題も重要だ。これらが大きなテーマとなった。 中学校教育が始まって70年の節目を迎えた。70年記念大会では皇太子同妃両殿下のご出席を仰ぎ、皇太子さまから温かいお言葉を賜り、感激の極みであった。 ■働き方改革の課題 種村 週6日制から週5日制への移行に伴い、1998年に、教育内容の精選と授業時数の削減を図った学習指導要領が示された。その後、「ゆとり教育」で学力が低下したとの批判が起こり、2008年の学習指導要領では、授業時数が増えた。そして、新学習指導要領においても、授業時数が増えている。また、授業時数のみならず、教育課題の対応等も増えている。ますます、勤務時間内に教材研究および教材準備の時間を取るのが難しい状況だ。 教員は、どんな困難があろうと頑張っていくだろう。しかし、教育の質を考えると、教員の努力だけでは限界がある。教員の超過勤務の問題も含め、しっかりした学校教育の体制を整えていく必要があると考える。 直田 働き方改革は非常に重要な一歩だ。教員勤務実態調査の結果で、多忙化が深刻な状況だと分かった。その結果を受けて、文科省は迅速に動いた。何年もかけて議論していたら、多忙化の状況はさらに悪化していたかもしれない。中学校の場合は部活動もあり、教員はいっぱいいっぱいだ。問題を看過せず行動してくれたことは、非常にありがたかった。 種村 直田会長のおっしゃった通り、国、都道府県、市町村、教育委員会が教員の勤務実態を把握して、どう対応すべきか検討している。長時間労働の根源ともいわれる「教職員給与特別措置法」に言及したところもある。今、働き方改革をやらなければ、いずれ子供にしわ寄せがいくかもしれない。多忙化の解消が教育の質を担保していくはずだ。 直田 多忙化の解消には定数改善も必要だ。教員が増えれば一人当たりの業務量が減り、負担が軽くなるだろう。ただ、10年、15年とたてば、また新しい仕事が入ってくるかもしれない。これでは教員の仕事は膨らんでいく一方だ。 なので業務改善も必要だ。教員でなければできない仕事とは何かを考え、働き方を変えていく姿勢が求められている。今の働き方改革が30年先、50年先の働き方にも関係してくるだろう。 ■2018年の展望 種村 新指導要領への移行期間に入っていく。新指導要領では校長の力量が今以上に問われるだろう。学校や地域の実情を踏まえながら、教育課程を編成するのが重要だ。われわれ校長は多くの有益な情報を持って対応できるようにしていきたい。 2018年以降も、全連小では情報発信と研究の充実を進めていく。研究は、現行の指導要領だけでなく、新指導要領も含めながら研究等を進めていき、各校長が創意ある教育課程を編成できるようにしたい。 直田 新指導要領に向けて具現化していく年を迎える。その取り組みが一番大きいテーマとなるだろう。小学校も大変だが、カリキュラム・マネジメントの確立が求められる中学校も大変だ。管理職だけでなく、教員もカリキュラム・マネジメントをきちんと理解してほしい。 教科担任制をとる中学校では、教員が担当外の教科でどういう授業がいつ行われているか把握できていないことも考えられる。担任が全教科を指導する小学校とは違い、中学校特有の課題が出てくる可能性もある。カリキュラム・マネジメントの実現に当たり、より一層校長のリーダーシップが求められるだろう。 ■小学校外国語と小中連携 直田 従来の中学校英語の授業では、入学時のスタート地点で全員が同じラインからスタートしていた。だが今後は、英語が中学校を起点とした教育ではなくなる。教科としての英語が小学校で始まれば、当然、子供の習熟度に差が付く。このような生徒を受け入れることは、中学校としても初めての経験だ。こうした点を十分考えなければいけない。 種村 今後、英語を勉強した子供を中学校に送ることになり、これから「小中連携」が大切になっていく。子供の発達段階が違う中学校と小学校では英語の授業で求められる内容も違うものの、小・中が連携してそれぞれの役割を果たし、子供の成長につなげていきたい。 小学校英語の教科化は、小・中だけでなく高校までの接続を考えたものであり、高校を卒業するときにどうあるべきかという視点を踏まえながら、授業を行わなければならない。自分たちの校種だけを見つめるのではなく、中学校の指導内容等を理解した対応が必要と感じている。 直田 全く同感だ。小学校との連携がより一層必要だ。どの教科も自分の校種だけ見ていては駄目だ。中学校の教科担任は、せめて自分の教科が小学校でどう扱われているのか、今まで以上に理解していかなければならないだろう。 各地の教委が新指導要領の実施前に小学校英語に関する研究校を置く場合、小中連携で研究できる形をつくるのも有効ではないだろうか。また私が勤務する中学校では、小・中校舎一体型の学校なので、小学校教員と合同で研究会をつくっている。例えば、体力に関する研究会には、中学校の体育教員と小学校の教員が入って研究授業を行い、指導案を練っている。 英語をはじめとして、新指導要領では今まで以上に小中連携が重要になってくる。小学校教員と力を合わせてやっていきたい。 種村 新指導要領の移行措置では、英語の授業を最低15コマ加え、合計50コマ実施することになる。また、70コマ実施する学校も出てくる。これだと中学校へ上がった段階で子供の習熟度に違いが生じる。これらのことも含め、小・中の情報連携を密に行っていく必要がある。実施時数は各学校や各地区の判断になるが、授業内容等についてはしっかりした計画が必要となる。また、指導方法についても研修を充実させる必要がある。 ■新指導要領の学習評価 種村 観点別学習状況の評価については4観点から3観点になると示されている。指導要録の参考様式についても早めに示されるといわれている。特に注意を図る必要があるのは、「主体的に学習に取り組む態度」についての評価だ。4観点の枠組みで実施してきた「関心・意欲・態度」の観点については、本来の趣旨とは異なる表面的な評価が行われているという指摘があった。教員の中で認識の違いがないよう、分かりやすく趣旨を周知していく必要がある。 ■教員に向けてのメッセージ 直田 管理職は勤怠管理をしっかりやることも大切である。これまでは一般企業に比べて管理が甘かった部分もあったのではないか。管理職が一日の勤務時間を見て、教員の残業が続いている場合は、フォローに入ったり、帰宅を促したりすることがあってもいい。その残業が本当に必要な仕事なのか、見極める必要もあるだろう。今までもやっていただろうが、これからはそれ以上に行動に移さなければならない。 中学校教育70年に当たり、さまざまな資料を読んだ。戦後、奇跡的な復興を果たした日本を支えたのは、教育の力が大きかったのだと改めて感じた。これから先も義務教育の質が日本の在り方を大きく左右するだろう。教員の一人一人は普段、そんなふうには考えていないだろうが、実はすごく大切な仕事に携わっているということに、ぜひ誇りを持って頑張ってほしい。 種村 今、教員に対して非常に厳しい視線が注がれている。報道で問題のある教員が取り上げられ、あたかもそれが全体を表すかのように捉えられてしまう風潮を感じる。ほとんどの教員は、子供たちのために自分の時間を犠牲にしてでも仕事に当たっている。本来の業務以外と思われることも児童および学校教育の充実のために対応している。しかし、教員の仕事ぶりの正当な評価が得られていない気がする。 そういう中で、教員多忙化の現状が社会で注目され始め、少しずつ教員が頑張っていることが理解されてきた。社会でもっと教員を応援してもらえれば、教員のモチベーションはさらに高まる。教員は国民の信託に応えて本当に頑張っている。次代に応える子供を育てていくために、国全体が一体となって、条件整備も含め、取り組んでいければと強く思う。全国の教員の皆さん、これからも、共に学校教育のために力を尽くしてまいりましょう。

2018年の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。今年の干支は戊戌(つちのえいぬ)です。戊や戌の字は、枝葉を払いながら、草木が繁茂する意味があるといわれています。国民の皆様と日本社会が繁栄する年となるよう祈念いたします。

〝ほめ言葉のシャワー〟で知られ、本紙で『「成長の授業」を創る―菊池実践11の柱―』を連載している、元小学校教員で教育実践研究家の菊池省三氏。2017年末からはドキュメンタリー映画『ニッポンの教育~挑む 第二部~』が各地で公開されており、さらに、その取り組みに注目が集まっている。菊池氏に活動の現状と、今の教育動向をどう見ているかを聞いた。

中教審が提出した「学校における働き方改革」中間まとめを受け、文科省が12月26日に発表した「学校における働き方改革に関する緊急対策」。中間まとめで示された具体的方策を踏まえ、文科省が中心となって実施する内容に関する方針を取りまとめた。4つの柱で示された同省の"ミッション"によって、改革に向けた動きは加速するか――。

12月22日の第114回中教審総会で承認された「学校の働き方改革」中間まとめは、複雑化・多様化する学校の課題に対し、従来の日本型学校教育が限界を迎えていると指摘。教員の長時間労働の是正や、持続可能な勤務環境の整備に向けた具体的な方策を提言した。

一般財団法人「軽井沢風越学園設立準備財団」の理事長を務める本城慎之介氏。前編は公立学校長時代、そして軽井沢風越学園の成り立ちを聞いた。後編は、本城氏がなぜ、楽天を辞して教育の道へ転進したのかと、同学園のビジョンを中心にインタビューした。

一緒に学校を作らないか――。2020年4月、長野県軽井沢町で新たな学校が産声を上げる。「軽井沢風越(かざこし)学園」は、「同じから違うへ、分けるから混ぜるへ」をコンセプトに、3歳から15歳までが一つに学ぶ学校を目指す。

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