病院訪問教育の物語(上) 実践者と漫画家の邂逅



長期入院中の子供に教育の機会を確保するため、病院に教師を派遣して授業をする「病院訪問教育」。そこで奮闘する教師を主人公にした漫画『マジスター 見崎先生の病院訪問授業』が単行本となって発売された。病院訪問教育を通して浮かび上がる「教育の意義」や「教師の役割」とは(全2回)。第1回では、本作の原作者であり、自身も病院訪問教育に長年携わってきた愛知県立大府特別支援学校の山本純士教諭に、病院訪問教育の実際と作品に込めた思いを聞いた。




県内の病院ならばどこへでも出張

「病院での教育」の代表的なものには「院内学級」がある。院内学級は小児科がある比較的大規模な病院に開設されていることが多く、院内学級に所属する教員が長期入院中の子供たちに毎日授業を行う。

それに対し「病院訪問教育」は、長期入院することになった子供がいる病院に教師自身が出向き、授業を実施するものだ。院内学級を開設していない病院を対象に、子供や保護者の希望を受けた病院からの要請に対応する。

病院訪問教育は全国各地で行われているが、その中でも愛知県の取り組みは充実しており、大府特別支援学校を拠点に16人の担当教員が配置されている。病院訪問教育を利用する県内の小中学生は、多い月で30人ほど。……

この記事は購読会員限定です。購読を申し込むと、続きをお読みいただけます。