病院訪問教育の物語(下) 実践者と漫画家の邂逅



病気などで長期入院を余儀なくされた子供に授業をする「病院訪問教育」をテーマにした漫画『マジスター 見崎先生の病院訪問授業』(小学館)が発売された。原作者の山本純士教諭に聞いた第1回に続き、第2回では作画を担当した漫画家の棚園正一さんに、病院訪問教育への思いが作品になるまでの経緯などを聞いた。自身の不登校経験を基にした作品も出している棚園さんが、病院訪問教育で描きたかったテーマとは――。




大人から「透明の文字」が見える

クラスで学芸会の台本の読み合わせをしていたところ、読んでいるところが分からなくなった。先生に「分かりません」と言うと、頬を強くたたかれた――。

棚園さんの漫画『学校へ行けない僕と9人の先生』(双葉社)での一場面。棚園さんが小学1年生の頃の実体験を描いたものだ。この出来事を機に棚園さんは学校へ行けなくなり、不登校になった。その経験を基に描いた『学校へ行けない僕と9人の先生』には、不登校だった頃に感じていた気持ち、学校や世間の居心地の悪さなどがリアルに描写されている。

「もともと学校は苦手だったのですが、あの日にたたかれたことで、不登校のスイッチが入ってしまった。……

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