世界の教室から 北欧の教育最前線(24)フィーカと授業研究


スウェーデンで初めて授業研究が行われたのは2012年のことだ。ナッカ市の基礎学校で行われた公開授業には、近隣の教員だけでなく、学校教育庁の職員や教育学者など200人余りが会場を埋め、メディアでも大きく取り上げられた。それ以来、授業研究は全国の学校にじわじわと広まっている。最近では、現職研修や教員養成で授業研究の意義や方法を教わる機会も増えてきている。


プライベート空間だった教室

かつてスウェーデンの学校は、中央集権的に管理されていた。県が人事権を持っていて、教員数や担当学級は規則によって厳格に決められ、学校の事情に関わらず生徒数に応じて機械的に配置された。へき地の小規模校でも、都会の困難校でも、どこでも同じルールが適用されたのである。

学校の中で他教科の先生を融通したり、他の教室の補助に入ったりすることはできなかった。このため、教室に教師は1人という形式が定着し、隣の教室との心理的な壁は厚かった。同僚の授業を見学したり、お互いにコメントし合ったりする機会はほとんどなかった。

協働を妨げる要因は校舎の構造にもあった。……

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