【川崎スクールバス襲撃事件】 担当臨床心理士に聞く



川崎スクールバス襲撃事件の発生から約1カ月。カリタス小学校は6月から授業を再開しているが、児童らと保護者をはじめとする関係者の多くが、いまも心に深い傷を負った状態だ。神奈川県教育委員会からの要請で、発生当日とその後の打ち合わせ、緊急保護者会に臨んだ臨床心理士の大草正信(おおくさ・まさのぶ)氏に、児童生徒の「急性ストレス反応」への対処など、緊急事案発生時における教育現場のとるべき対応について聞いた。




ストレス反応に対する間違った見識が危険

――緊急保護者会では、どのような話を。

今回の事件で、神奈川県教委は異例の速さで各分野の専門家の派遣を決めた。通常、私学の場合、教委からの専門家派遣はほとんど行われないが、このスピード感で派遣を決定したのは、本件の重大さを鑑みた教育長の英断だったと感じる。

緊急保護者会で保護者に伝えたのは、子供たちの急性ストレス反応に対する適切な関わり方だ。事件によって、身体的に傷つけられた子はもちろんだが、事件現場にいなかった児童であっても、精神的ダメージを受けている。

その心の傷が、さまざまな形で「急性ストレス反応」として現れるが、そのストレス発現に対して「何とかして解消してあげないといけない」という考えだけで対応することが、実は大変危険だ。……

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