世界の教室から 北欧の教育最前線(26) 人を貸し出す図書館


人を貸し出す図書館「ヒューマンライブラリー」をご存じだろうか。障害や人種的マイノリティーなど、偏見を持たれたり、敬遠されたりしやすい立場にある人が「本」となって貸し出される。「読者」は一対一あるいは少人数でその「本」の語りに耳を傾け、対話をする特別な図書館だ。

「読者」は、受付でタイトルとあらすじを読み、自分が借りたい「本」を選び、予約する。そして予約時間になると、その「本」と自由に対話を楽しむのだ。「本」の語りには、生きにくさを含む内面の自己開示が含まれていて、読者は「本」を傷つけない限り、何を聞いても良い。この点が講演会と大きく異なる。台本もないため、1回限りのライブ感がある。そして、たまたま興味をもった「本」との偶然の出会いもある。



デンマークから世界へ

「Don’t judge a book by its cover(本を表紙で判断してはいけない)」というモットーを掲げるこの活動は、デンマークのNGO「ストップ・ザ・バイオレンス(Stop the Violence)」が2000年に始めた。……

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