境界線を越える学び STEAM教育 新しいものを創造する力を



近年、テクノロジーの進展とともに注目を集めている「STEAM教育」。文部科学省が2018年に公開したこれからの教育方針についての報告書「Society5.0に向けた人材育成」にも、STEAM教育導入の必要性が明記されている。社会の変化に対応できる能力を身に付けるために必要とされるSTEAM教育とはどんな学びなのか――。これまで多くの現場でSTEAM教育の実践を重ねてきたSTEAM教育家であり、音楽家・数学研究者の中島さち子氏に、その学びの本質について聞いた(全3回)。初回はSTEAM教育が必要とされるようになった経緯や、背景にある時代の要請を解き明かしていく。




◆思考と実践を行き来する学び

――近年、日本でも注目を浴びつつある「STEAM教育」ですが、どういった教育なのでしょうか。

米国でブッシュ元大統領、オバマ元大統領の時期に、年間3000億円もの予算を使って国策として始まったのが、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をとった「STEM教育」です。

今後の経済発展やイノベーションにはSTEM 要素が欠かせないことから、ヨーロッパやアジア圏にも広がってきています。最近ではそこに「A=Art(s)(芸術/リベラルアーツ)」が加わり、「STEAM教育」が提唱されています。

STEAM教育は、日本だとどうしても理系教育のイメージがあるようですが、私は違うと思っています。……

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