世界の教室から 北欧の教育最前線(29)先住民族サーメの教育(上)


ディズニー映画『アナと雪の女王』には、トナカイと暮らすサーメ人とみられるクリストフ・ビョルグマンが登場する。魅惑の地、北欧の北部には約7万人のサーメが暮らしていて、サーメの子供のための学校もある。ノルウェーにおけるサーメの教育制度と学校、若者の文化発信と継承の課題について、2回にわたって報告する。


サーメとは

サーメ語で「サプミ」と呼ばれる彼らは、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧3カ国とロシアに住んでいて、そのほとんどはノルウェー最北のいわゆる北サーメ地域に居住している。人口は約7万人と推定され、半数以上がノルウェー国籍を持っている。

サーメ語は10の方言地域に分けられ、それぞれ独自の言語をもっている。もともと狩猟採集民だったが、800年代ごろからトナカイの放牧を営むようになった。そのため、トナカイとの関係は生活文化に深く根差している。
サーメのための教育制度

ノルウェーでは、1990年代に基礎学校(日本の小中学校に相当)で、サーメの子供らがサーメ語を学ぶ権利が保障された。……

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