世界の教室から 各国の消費者教育(8)フィンランドにおける消費者教育(下)


横浜国立大学教授 松葉口 玲子



多様な消費者教育?

前回、ナショナル・コア・カリキュラムをご紹介しましたが、日本の学習指導要領ほど全国画一的な拘束力はありません。ナショナル・コア・カリキュラムに基づきながらも、各地域の状況に応じて学校が独自に、さらには教師自身が独自に、カリキュラムを実施します。よく知られているように、教師は非常に人気の高い職業であり、保護者を含めて社会全体から信頼されているのです。

例えば私の勤務校のブランチ・オフィスがあるオウル大学の附属中学校では、消費者教育は教科横断的能力のうち、「自分自身のケアと日常活動のマネジメント」や「仕事や企業の世界での能力」に関わり、社会科では、消費者の権利、取引や規制、起業家教育を、家庭科では、調理、環境に配慮した家庭経営を扱っているとのことでした。

その上で消費者教育の授業として紹介されたのは、家庭科の調理実習に相当するものでした。……

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