
生徒の理解力と向き合う
――授業づくりで迷っている教員にアドバイスを送るとしたら、どんなことでしょうか。
受け手の視点、生徒視点を常に心掛けることでしょうか。特に中高の教員は教科担任制なので、自身の専門性が高くなるにつれて、生徒の理解度との間にギャップが生まれやすい状況があります。私は教員になって最初に赴任したのが特別支援学校でした。重い障害があり、生きるのが精いっぱいな子供たちを多く見てきました。一方で、障害の程度によっては、教科の学習ができる生徒もいるのですが、その授業を担当する中でも多くのことを勉強させてもらいました。
生徒一人一人それぞれに違う理解力があり、それぞれに違う身体的な困難さがあり、一様には教えることができないことを、身を持って体感できたのです。……
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