「教える」から「引き出す」へ(中)子供の学ぶ意欲の育て方

子供たちの手が次々と挙がり、「主体的な学びの場がつくれる」と、教育界から注目を集めている「対話型鑑賞」。愛媛県美術館学芸員の鈴木有紀さんは、その手法を美術以外の教科にも活用・普及していく「えひめ『対話型授業』プロジェクト」をチームメンバーとともに進めてきた。インタビューの第2回では、鈴木さんと「対話型鑑賞」の出合い、学校現場への導入を進めていった経緯などを聞いた。


「対話型鑑賞」との出合い

――鈴木さんが「対話型鑑賞」に出合った経緯を教えてください。

愛媛県で学芸員になってから、最初は県内の自然・科学系博物館に配属されました。当時、「もっと来館者や学び手が主体の展示をやりたい」と考えていたところ、「ハンズ・オン」という展示方法に出合ったのです。これは実際に展示物に手で触れたり、操作したりするなどの体験を通じて、より博物館資料への理解を深めていくという手法で、ワークショップなどでも積極的に取り入れていきました。

この「ハンズ・オン」に出合った頃から、自分は学芸員として「教育普及」に力を入れていきたいと思うようになりました。大学でも児童教育を学びましたし、両親・親戚ともに教員が多い家庭環境だったということもあり、もともと教育への関心が高かったのだと思います。

その後に歴史系博物館への異動を挟んで、2001年から現在の愛媛県美術館に配属となりました。……

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