
どう方針を決めたか
――東松島高校は2005年に、矢本高校の校舎を使って開校したそうですね(最初の2年間は矢本高校と併存)。開校時から制服やチャイムがなく、情操教育に力を入れてきたと聞きます。こういった方針は、どのようにして決まったのでしょうか。
宮城県教育委員会の長期計画のなかで、この高校に課せられた課題は、徹底した単位制の学校を作って、高校中退者や不登校経験者をすくい上げて社会に送り出す、ということでした。
当時、高校中退者は全国で年間約1万7000人いて、宮城県でも毎年500人以上出ていました。県内だと、高校1校分くらいの人数です。そんなにも多くの若者たちが途中で挫折してしまうのを、何とかセーフティーネットとしてすくい上げたい、という狙いがありました。
中学のとき不登校だった子供たちも受け入れて再スタートさせよう、ということも大事な趣旨の一つでした。……
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