【仮想の学校】生徒の価値観を揺さぶれ



 金沢大学附属高校の元教諭であり、現在は学校・教員コンサルタントとして活動する前田健志氏。学校の枠を超えて教師や生徒、地域を巻き込んだ仮想の高校「平和町高校」の発起人として、学校教育の在り方に新たな提案を続けている。インタビューの第2回では「面白い社会をつくるために教師になった」と語る前田氏に、子供との向き合い方や、子供たちが夢中になれる授業のつくり方を聞いた。(全3回)


「玉の興」をテーマに議論

――現職教員時代はどんな先生だったんですか。

 生徒からは「先生と話していると楽しいけど疲れる」と言われていました。授業でも、普段の会話でも、生徒と接するときは「今まで感じたことがないくらい思考や価値観を揺さぶってやろう」と意識していたからでしょう。
 例えばクラスの女子生徒が「玉の輿(こし)に乗りたい」って言うとするじゃないですか。多くの先生は聞き流すと思いますが、私は「玉の輿に乗るためには、どうすればいいのか考えてみようぜ」と投げ掛けます。すると生徒からは、次々と意見が出てきます。「すさまじくアクティブに動いて出合いを探さなきゃ」「容姿を磨かなきゃ」「付き合えたとしても、ずっと一緒にいてもらうにはどうすればいいのか」…。

――どんどん思考が深まっていく。

 すると、玉の輿は楽にお金が得られるイメージだったはずなのに、実は険しい道のりだと分かる。……

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