シティズンシップ教育の未来

価値観の多様化や選挙権年齢の引き下げなどを背景に、「望ましい未来像」を目指し、社会変革と創造に参画する担い手を育てるシティズンシップ教育への関心が高まっている。「単なる知識の伝達ではない」という難しさのあるシティズンシップ教育に、現場はどう取り組むべきか。

東京大学教育学部附属中等教育学校の校長として授業実践の充実を図った経歴のある、東京大学大学院教育学研究科の小玉重夫教授に、シティズンシップの観点から見た、これからの学校と教員の役割を聞いた。


シティズンシップ教育とは

――校種を問わず、あらゆる発達段階でシティズンシップ教育が求められる中、初めて着手するという先生も少なくありません。まず、シティズンシップ教育とは何か、教えてください。

シティズンシップ教育とは、市民性、つまり市民として必要な素養を育てる教育のことです。政治的リテラシーを備えた「能動的な市民」を教育することを目指すものです。

身につけさせようとするのは、社会や政治の問題に主体的に関わる力、自分なりに社会との関わり方を考えることができる力です。

また、多文化社会が到来し、さまざまな民族、さまざまな価値観を持った人々が暮らす中、それぞれの価値観を尊重して行動したり、互いの利害を話し合って調整しながら、政治の課題に取り組んだりする態度を育む必要があります。……

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