松岡正剛さん(上)読解力低下の深層に「東西文化のデバイド」

2020年の学校現場では、新学習指導要領が掲げる「主体的・対話的で深い学び」が重視され、授業のカリキュラムは高校の「総合的な探究の時間」に象徴される探究学習につながっていくことになる。だが、どうやって探究学習を実践すればいいのか。その羅針盤を探して、編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さんを訪ねた。

松岡さんは、情報の編集によって物事の本質をつかむ方法を編集工学と題して磨き上げてきた達人であり、膨大な読書と著述を通して深い思索を重ねてきた知性の塊だ。

3時間に及んだインタビューはまず、昨年末に表面化した読解力低下について、東西の文明史的な違いから深層を解き明かしてもらった。文字をもたなかった日本に漢字が到来した弥生時代から万葉時代にかけ、日本人は国語に革命的な変化を起こして日本語を成立させることに成功した。だが、明治維新期にヨーロッパの近代文明を吸収したときには、残念ながら、近代国語としての日本語を組み立て損ねてしまったのではないか、と松岡さんは指摘する。刺激的な問題提起に耳を傾けていこう。

(聞き手 教育新聞編集委員 佐野領)

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 ・松岡正剛さんに聞く
ヨーロッパ型読解力がたどった道筋
――生徒の学習到達度調査(PISA)2018で日本の子供の読解力低下が問題になり、大学入学共通テストの記述式問題がいろいろな事情で仕切り直しになりました。……

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