
いじめ防止を目的とした道徳の教科化
第二次安倍政権の発足により設置された教育再生実行会議が最初の議題として挙げたのが、いじめ問題への対応だった。そこで打ち出されたのが、これまでの「道徳の時間」を「特別の教科 道徳」と位置付け、道徳教育を充実させることでいじめをなくしていくというロジックだった。これにより道徳は、小学校では2018年度から、中学校では19年度から、教科書を使った授業が行われるようになった。また、議員立法によるいじめ防止対策推進法が13年度に施行され、17年には国としての基本方針の改訂や、いじめの重大事態の調査に関するガイドラインの策定を行うなどし、いじめへの対応策が整備された。
しかしながら、同法はいじめ被害者の団体などから、第三者委員会の運用などでさまざまな問題を指摘されており、法改正に向けた動きはあるものの、国会議員による勉強会の座長を務める自民党の馳浩衆院議員(元文科相)が示した「座長試案」を巡って紛糾。……
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