【特別支援×ICT】共生社会をどう創っていくか

障害のある人がいない中で、社会課題をテーマとしたPBLに取り組んでいることに違和感を覚える――。知的障害のある子が通う東京都立石神井特別支援学校の海老沢穣教諭は、現状の学校教育の在り方にそう疑問符を投げ掛ける。ICTを活用しながら、どのように共生社会を創っていくべきかについて聞いた。(全3回の最終回)
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 ・子供の表現を引き出すツールに 特別支援教育×ICTの可能性
障害のある子と共に学ぶPBL
――新学習指導要領では、学校種を問わず総則に特別支援教育に関する記述が見られるなど、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの推進が謳われています。現状について、感じている課題はありますか。
通常学級では、社会課題をテーマにしたプロジェクトベースの学習が展開されていくわけですが、障害のある人がいないところで取り組まれるという現状にすごく違和感を覚えています。本当は世の中に障害がある人が何%もいるのに、いない集団の中で、学校での学びが成立してしまっているわけです。

今はSDGsに熱心に取り組んでいる学校もたくさんあります。それ自体は本当に素晴らしいことですが、テーマとして環境のことはよく取り上げられても、ダイバーシティ(多様性)の実践例はほとんど出てきていないのではと感じます。障害のある子がいない集団の中で考えているから、テーマとして身近に感じられないためだと思います。

そもそも、特別支援学校は、学校に来られなかった子たちの学校として作られた経緯があります。……

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