第6回ESD大賞の実践紹介 中学校賞

地域を美しくするため外来種の植物駆除を展開
地域を美しくするため外来種の植物駆除を展開

NPO法人日本持続発展教育(ESD)推進フォーラム主催の第6回ESD大賞受賞校の実践から、中学校賞、高等学校賞の実践を紹介する。受賞校の実践はこのほど、「第6回ESD大賞受賞校実践集」として刊行され、全国のユネスコスクールに配布された。

福井県勝山市立勝山北部中学校
ふるさとの魅力を発信
「将来も住みたい」を増やす

全校生徒128人、教職員18人の本校は、四方を美しい山々や水田に囲まれた自然豊かでのどかな地域に位置している。生徒は身近な自然に親しみながら生活している。昨年度からユネスコスクールの認定を受けた。

ESDテーマは「勝山を美しく、元気に、有名に」。

数年前、「大人になってもふるさと勝山に住みたいか」と生徒にたずねたところ、「住みたくない」と答える生徒が多かった。理由は、「勝山は何もないところだから」。

ふるさと勝山について見つめ直し、見つけたことや気づいたことを周囲に発信することにした。大人になっても自分たちが住み続けたい勝山市を目指し、「北中まちづくりプロジェクト」として4年前からESDカレンダーをもとに全校体制で取り組んでいる。

主な実践を紹介する。

[勝山を美しく!]
▽九頭竜川清掃(全学年)=勝山市および校区内を縦断する九頭竜川を見つめ直すため、市が開催する「クリーンアップ九頭竜」に親子・地域住民で参加。ごみを減らすためにはこのような清掃活動をするだけではなく、周囲の大人に意識付けを行い、発信していく必要があることを学んだ。

▽オオキンケイギク、フランスギクの駆除活動(1、2年)=外来種であるオオキンケイギクとフランスギクの駆除活動を実施。1年生は、生息している場所を事前に調査、地図にまとめ、当日は小学校6年生と駆除活動を行った。活動後には、地域に協力を求めるチラシを作成・配布した。2年生は有料道路沿いに多く生息していることを確認し、市環境政策課と協力して駆除活動を実施した。

このほか、コカナダモ、セイタカアワダチソウの駆除活動を実施。

[勝山を元気に!]

▽学校祭の体験活動で勝山の魅力発見!(全学年)=勝山市は繊維のまち。勝山についてもっと知るために、ゆめおーれ勝山の方をゲストティーチャーに迎えて全校生徒を対象にベンガラ染めなどの体験活動を実施。

▽はぴねすダンスで勝山を、福井を元気に!(全学年)=3年後に福井県で開かれる国体に向けて、はぴねすダンスを体育大会や市あげての祭りや老人福祉施設で披露。

▽雪室の見学から勝山の魅力発見!(3年生)=雪を貯蔵した雪室を見学。雪だるま財団の講話を聞き、雪を活用した勝山の魅力づくりについての可能性を考えた。

[勝山を有名に!]

▽勝山をPR!(全学年)=生徒会中心にステッカー、クリアファイルを制作、祭礼時などで販売してきた。続くものとして、エコバッグを制作、2月の地区の雪祭り、勝山左義長まつり(北陸三大奇祭の一つ)、8月の市の夏祭りで販売した。売り上げたお金を環境保全活動に役立てるために、校区の小学校に分配した。

▽勝山みやげづくり(2年生)=勝山市でスイーツ店を経営している方をゲストティーチャーに、勝山への思いや中学生に期待することなどを聞いた。夏休みを利用して、勝山市を代表する「恐竜」に特化してスイーツを考え、紙粘土や絵の具を利用してサンプルを作成、アイデア用紙とサンプルを届けた。
▽勝山PR動画づくり(全学年)=勝山市のさまざまなスポットではぴねすダンスを踊り、それを1本の動画として制作し、動画サイトに投稿しようと夏休みを活用して撮影に取り組んだ。動画は学校祭で披露。市の公認を得て、市のホームページにもリンクを貼ってもらった。

実践を経て全校生徒にアンケートを行った。8割の生徒が、「自然が多い」「人がいい」「空気がきれい」「他に誇れる場所がたくさんある」などの理由では「好き」と答え、そのうちの半分の生徒が「大人になっても勝山に住みたい」と答えている。

これらの活動は報道でも取り上げられ、石破茂地方創生担当大臣にまで届き、3年生が修学旅行時に同大臣と面会する機会も得た。

関連記事