【連載】教師に必要な資質とは

 紙面に掲載した連載の初回分を紹介します。
研究集団ことのは 代表 堀裕嗣

いつでも変われること

 今年度、中学校1年生の学年主任を務めています。全7学級。私を含めて7人の担任陣で242人の生徒たちを受け持っています。

 この担任陣が非常に若く、平均年齢は32.1歳です。47歳の私を含めてこの平均年齢ですから、他の担任がいかに若いかがお分かりかと思います。初めて担任をもつという者が2人、2度目の担任が2人、要するにある程度以上の経験をもつ者が私を含めてたった3人という学年なのです。おそらく教職にある者ならば、そのメンバーでの学年運営は大変だろうな…と思うことでしょう。

 しかし、私は実はそう感じていません。むしろベテラン陣がそろった学年の方が、それぞれが硬直した考え方をもっているために、そのすり合わせに気を使わなければならない、それに比べれば柔軟性のある若手中心の方が運営しやすい、そう感じています。

 それぞれ細かな失敗はあるにせよ、適切なフォローがあれば、その失敗を糧にして成長していける、それが若手です。自分のやり方に固執して聞く耳を持たない中堅・ベテランと一緒に仕事をするよりも精神的にはずっと楽です。

 私は教師の資質として、5つのことが必要だと感じています。第1にいつも笑顔でいること。第2に孤独に耐える力をもつこと。第3に無駄と分かっていることに取り組めること。第4に子どもと一緒に馬鹿げたことを一生懸命やるのを楽しめること。第5にいつでも変われること、つまり、今を壊し、新しい自分になるのを怖れないこと。

 この5つの資質のうち、読者の皆さんは教師にとってどれが最も大切だと思われるでしょうか。私は確信を持って言います。〝変われること〟であると。若者はこの「変われる」という柔軟性を持っています。変われる人を相手にするのなら、その指導に時間と労力を割くことも、フォローに奔走することも苦にはならないではありませんか。

 教師とはごくごく簡単にいえば、子どもたちに「変われ」と言い続ける仕事です。成長とは変わることなのです。子どもたちには「変われ」と言うのに、自分が変わることだけは断固拒否する、世の中にそんな教師が多いことに私は大きな違和感を抱いています。

新連載執筆者

 堀裕嗣(ほり・ひろつぐ)氏=北海道公立中学校の国語教員。著書に『エピソードで語る教師力の極意』『教師力ピラミッド』『教師力アップ 成功の極意』(明治図書)など。