【連載】小学校現場からの教育改革

 紙面に掲載した連載の初回分を紹介します。
全国連合小学校長会副会長 柿沼光夫(埼玉県久喜市立久喜小学校長)

いじめ防止対策推進法

法理解の研修会が必須に

 いじめを受けた子どもが自らの命を落とすという痛ましい事件が発生し、深刻ないじめが全国的な問題となった。教育再生実行会議の提言等を受け「いじめ防止対策推進法」が6月28日に成立した(9月28日施行)。法は、いじめの防止等の基本理念や対策の基本となる事項を示し、国、地方公共団体、学校の設置者、学校および教職員・保護者の責務等を明らかにしている。

 いじめの問題は、学校現場にとって、これまでも幾度となく大きな課題となっていた。しかし、今回は、法律化されたことを全教職員が真摯に受け止め、学校をあげての取り組みが求められる。まずは、法の目的、いじめの定義、基本理念、学校や保護者その他の関係機関の責務および対策など、法の内容をよく理解するための研修会が必須である。

 次に、学校は、国や地方公共団体の定める「いじめ防止基本方針」を参酌し、当該校の実情に応じて「いじめの防止基本方針」を定めなければならない。この策定にあたっては、いじめが心身の成長や人格の形成、さらには生命、身体に重大な危険を生じさせるおそれがあることを強く認識し、いずれの学校、どの児童等にも起こりうることを踏まえて策定されなければならない。

 したがって、学校の教育活動全体を通じた道徳教育や体験活動等を充実させ、児童等の豊かな情操と道徳心を養うことやいじめを早期に発見するための教育相談体制等を整備すること、いじめに関する調査等の実施を充実させること、インターネットを通じたいじめへの対策を推進することなどが重要となる。

 また学校は、いじめ防止等に関する措置を実効的に行うために、教職員や心理・福祉等の専門家、その他の関係者により構成されるいじめ防止等の対策のための組織を設置しなければならない。さらに重大ないじめに対しては、事実関係の調査や必要な情報を適切に提供すること、警察等への通報、懲戒・出席停止措置等、厳然とした対応や関係機関との密なる連携が改めて求められる。