【連載】笑顔あふれる授業を創ろう

 紙面に掲載した連載の初回分を紹介します。
兵庫県芦屋市立山手小学校教諭 俵原正仁

楽しい授業が笑顔を創る

 いきなりですが、問題です。

 次の( )の中に当てはまる言葉は、①~④の何でしょうか?

 「ある調査では、問題行動を起こす子どもの親の80%は日常的に( )という結果が出ました」(『笑顔セラピー』野坂礼子著から)
 ①叱らない②褒めない③笑わない④持たない・作らない・持ち込ませない――。

 授業では、この後、子どもたちの意見を聞いて、ぼけたり、つっこんだりしながら、正解に至るのですが、今回は、あっさり正解を発表します。

 正解は、③の「笑わない」です。(ちなみに、4択問題では4番目に明らかに正解でなさそうな選択肢を入れることが、楽しいクイズづくりの鉄則です)なんと、問題行動を起こす子どもの親の80%は日常的に笑わないのです。

 ここで、「親」を、あなた、つまり「担任」に置き換えてみます。すると、「問題行動を起こすクラスの子の担任の80%は日常的に笑わない」となります。

 こちらの方は、実際に調査したわけではありませんので、学術的な意味はありませんが、経験則的に、「あ~、そう言えば、そんな気がする」って、感じがしませんか。結構いい線をついていると思います。

 そこで、少し強引ですが、「逆もまた真なり」ということで、このことは、「いいクラスをつくろうと思えば、教師が日常的に笑えばいい」と、言い換えることもできます。

 職員室の前に、不機嫌な顔をした校長先生や教頭先生がいつもいたら、嫌ですよね。それと同じです。クラスの雰囲気をプラスのオーラであふれるようにするには、まず、担任が笑顔になることが定石中の定石なのです。

 では、教師が日常的に笑顔になるためには、どうすればいいのでしょうか。答えは、簡単です。授業が楽しけりゃいいのです。つまり、笑顔あふれる授業をすればいいのです。

 子どもたちが1日の学校生活の中で一番、教師と顔を合わせているのは、授業の時間です。だから、教師は笑顔あふれる授業づくりに全力を注がなければいけないというわけです。

 昔と違って、最近の子どもたちは、教師という立場だけで担任をリスペクトしてくれることはありません。教師だから「言うことは絶対」という特別視をしてくれません。

 「いつも楽しそう」「自分たちの話を聞いてくれる」「上から目線で話さない」などの人間性をまず見てきます。一人の人間として、子どもたちに向き合わなければいけないということです。そこには、私は教師だからという甘えは許されません。

 まずは、信頼のパイプを子どもたちとの間につながなければいけないのです。信頼のパイプがつながりさえすれば、教師の言葉が子どもたちの中にスッと入っていきます。やんちゃな子が、冷めた子が自分を表現できない子がみるみる変わっていきます。

 そのために意識しなければいけないことは、やはり授業の時間です。だから、教師は笑顔あふれる授業づくりに全力を注がなければいけないというわけです。(大切なことなので2回繰り返してみました)


執筆者プロフィール

 俵原正仁(たわらはら・まさひと)教材・授業開発研究所「笑育部会」代表。〝笑顔の教師が笑顔の子どもを育てる〟という「笑育」なるコンセプトによるユニークな実践を追究している。著書に『なぜかクラスがうまくいく教師のちょっとした習慣』(学陽書房)などがある。