【連載】道徳新時代を前に 今準備しておくこと

 紙面に掲載した連載の初回分を紹介します。
心の教育研究会代表 福島県郡山市立開成小学校教諭 櫻井宏尚

教科化に向けて今こそ活性化

 私は、公立の小学校に30年間勤務し、教育実践を重ねてきました。特に、道徳に関しては他の教科以上に熱心に取り組み、(公財)上廣倫理財団に事務局としての実務的支援をいただき、仲間とともに「心の教育研究会」を立ち上げ、12年間、日本中の実践者と交流して研究を深めてきました。

 「心の教育研究会」は、道徳教育の指導における力量形成を目的とし、道徳教育を幅広い視点からとらえ、理論・方法論や実践的な授業事例から学び合う現場の教師が中心の集まりです。今回、紙面に私の実践や考えを伝える場をいただき、大変感謝しております。

 現在、道徳教育に関わる者の最大の関心事は「道徳の時間」が「特別の教科 道徳」になったとき何がどのように変わるのかということです。なぜ、道徳の時間を教科にしなければならないのでしょう。それは、現在の道徳教育、とりわけ、道徳の時間が軽んじられ、効果が上げられていないと判断されたからです。

 それぞれの地域や学校、各先生方の取り組みには大きな差があり、いじめをはじめとした諸問題に対応できていないということです。だから、教科にすれば、全ての教師が他の教科同様に熱心に取り組むと考えられたのでしょう。

 そもそも、道徳の授業をすればいじめがなくなると考えるところに問題があります。しかし、現実問題として教科化は避けられません。ではどうすればよいでしょうか。教科化を道徳教育充実に向けての大きなチャンスととらえ、そのための準備をするべきです。

 そこで、本連載では、教科化に向けてどのようなことを考え準備していけばよいのかということを、12回にわたって述べていきたいと思います。教科となれば、授業自体も変わらなければなりません。今こそ道徳授業を活性化していこうではありませんか。

櫻井宏尚(さくらい・ひろたか)教諭/心の教育研究会代表として、道徳の定例研究会を年5回開催、全国研究大会、研修講座などの運営、推進なども。編著に『あなたが道徳授業を変える』(学芸みらい社)。