【連載】学校経営ここがポイント―この時期はここが大事

 紙面に掲載した連載の初回分を紹介します。
一般財団法人教育調査研究所研究部長 寺崎千秋

7~9月期 形成的に評価し発展へつなぐ

 7~9月期は、3学期制においては1学期と2学期をつなぐ期であり、2学期制においては1学期前半と後半をつなぐ期である。いずれも、学校経営方針や教育課程・指導計画に沿った4~6月までの学校運営や教育活動を形成的に評価し、継続・発展させるか、修正・改善するかを判断してその後につなげる重要な期である。

 また、間に夏季休業日があることから、子どもが長期間の休みを自発的、自律的に過ごすよう指導し準備させることが必要である。一方、夏季休業日に教師は遅れがちな子どもや希望する子どもに対する補習指導、プール指導や部活動の指導などに取り組む。

 この間だからこそできる研修に勤しんだり、リフレッシュに努めたりできる大切な時でもある。この期間の教育活動、学校運営を充実させるための主な視点とポイントを示す。

自律的な生活づくりを

1.夏季休業日に向けた準備と指導を意図的、計画的、組織的に行う

 学校の1年間の教育活動における夏季休業の位置づけを確認する。例えば、「これまでの学習経験や1学期の学習成果等を生かして、夏季休業日の生活・学習の目標を立てその実現に向けて自律的な生活をつくり、安全で健康な夏休みを過ごすことができる」などと示し、これに沿って各学年が発達段階に合わせて具体的な指導を行うようにする。

 ▽学習指導では共通の宿題とともに、個に応じた学習課題を一人ひとりに課すようにする。

 ▽各学年等で子どもの実態に応じて補習や学習相談の日等を設定して個別指導を行う。

 ▽総合的な学習の時間の学習課題について、個々が課題をもって探究活動に取り組むようにする。

 ▽生徒指導では、学校としての夏休みの生活ルール等を示し、これに沿って各学年の子どもが自らの生活や学習の計画を立て、自律的な生活を送るよう指導する。

 ▽夏休み前の保護者会などで夏季休業に関する学校の教育方針や指導計画などを示して、子どもの自律的な生活づくりに、ともに取り組むよう協力を依頼する。

全体を見渡して評価する

2.形成的な学校評価の取り組みにより教育活動・学校運営の向上・発展を目指す

 4~5月は新年度の出発で慌ただしい。6月に入ると落ちついた学習が可能となるが、すぐに評価の時期となり、夏季休業日の準備となる。

 そうした中でも、校長等は教育課程に位置づけた教育活動が効果的に行われているか、着実に成果を上げているかなどについて、学校全体を大所高所からしっかりと見渡して、個々の学年や学級を見つめて評価する。その成果や課題を自己の目でまず見極めて、次のリードを行うことが大切である。

 ▽4~6月の教育活動や学校運営について学校評価を全員で行う。全員が共通に行う事項や個々の校務分掌ごとに行う事項などを仕分けし、評価と改善策等を出させる。

 ▽1学期の中心的な行事(運動会や全校参観、全校集会等)において、学校としての統一性や一貫性のある教育活動が展開していたか、教員が組織的に職務遂行していたかなどを見取り、把握したことをもとに、今後に向けて指導・助言を行うようにする。

リフレッシュを励行する

3.夏季休業日の勤務の厳正を図りOJT等により実力アップを目指す

夏季休業日は長いようで短い。約40日間を教職員がどのように効果的に活用するか、これも学校としての方針をしっかりと示し、それに基づいて個々の教職員に勤務の厳正、研修の充実、リフレッシュの励行などについて指導・助言することが大切である。

 ▽長期休業中の勤務も基本的には日常と同様である。全員がそろうそろわないに関わらず、出勤状況を確認し、職員朝会を行い、一日の勤務や業者等の来校者等を確認する。また、出勤・退勤、出張、休暇などの服務の厳正や緊急連絡等の対応などを確認する。

 ▽プール指導体制の確認と救急時の危機管理の研修を全員参加で事前に行うようにする。

特に、プール内での事故を想定し専門家の指導のもとに体験的な研修を行う。
 ▽夏季休業日には、教育委員会や校内外の多様な研修が組まれている。これらを効果的に経験できるよう事前指導を行い事後報告をさせ、校内にも反映させるようにする。また、若手教員が多くなりつつあるが、先輩から学ぶ機会を設定し、教材研究の仕方や事務処理の工夫、課題のある子どもへの対応等の実務研修などを行い、OJTを充実させる。

 ▽せっかくの長期休業日に日頃できないリフレッシュに目を向けさせ、実行するように助言する。

9月のスタートを円滑に

4.9月以降の教育活動等の見通しを立てる

9月に入ってから9月以降の見通しを立てたり計画したりするのでは遅い。8月末までに終えて滑走路をスタートし、9月に入ったらすぐに離陸するようでありたい。そのための7月の形成的な学校評価である。8月末までに学校の方針や重点について継続発展させる事項、改善や修正する事項とその具体策を明らかにし、職員会議で共通理解を図る。

 ▽9月以降の教育の方針や重点を確認する。また、それらを保護者や学校評議員や学校関係者評価委員などとともに全校で評価する学校行事等の位置づけを確認する。

 ▽始業式等やその後の学級活動、各教科等の授業開始時の子どもの状況や実態を把握する。校長・教頭、主幹等は全校の子どもの状況や実態の把握に努め、各教員は学級・学年や個々の子どもの把握に努める。双方の状況から、4~7月の教育成果がどのようにつながっているか、課題として見えるものは何かなどを把握して、今後に生かす。

 ▽9月のスタートが円滑になるように、特に重点とする学習指導や生活指導の内容や配慮すべき事項を全教職員に伝え、一致協力して取り組むようリーダーシップを発揮する。また、次期の教育を見通して、意図的、計画的、発展的に取り組むよう指導・助言する。