【連載】野鳥たちの不思議

 紙面に掲載した連載の初回分を紹介します。
公益財団法人日本野鳥の会・施設支援室
横浜自然観察の森担当レンジャー 尾崎 理恵

巣をつくる場所はどう決める?

 鳥たちのさえずりがさかんに聞こえはじめている。この季節、野鳥たちは子育てに忙しい。同時に、日本野鳥の会の事務所にはさまざまな野鳥の子育てに関する疑問、質問のお問い合わせが多く寄せられるようになる。

 「ウグイスはいつごろさえずりはじめるのか?」「全ての野鳥の子育てが春から夏にかけておこなわれるのか?」などなど。今年度このコーナーでは野鳥にまつわる不思議についてご紹介していきたい。

 まず今回のテーマは、「巣をつくる場所はどう決めるのか?」

 昨年度記した連載「子どもに伝えたい身近な自然」第10回の「古巣ウオッチングのすすめ」では、なぜ野鳥が巣をつくるのか、巣の形の違いについてふれた。では巣をつくる場所というのは、どのように決まっていくのだろうか?

 野鳥の巣には仲間や種によって違いがあるが、スズメ、シジュウカラ、キジバトなどで調べられた多くの例では、オスが場所を示して、メスが決めているようだ。

 家の周辺を小鳥たちが飛んでいる姿に着目してほしい。口に何かくわえていないだろうか。草や糸のようなもの、犬の毛など。そして飛んでいく先をよく目で追ってほしい。

 巣に向かって巣材を懸命に運んでいる様子が見られる。ハシブトガラスなどは常緑の樹上を好み、町では建造物にも巣を作る。またシジュウカラは木の洞、ブロック塀の隙間、庭にかけてある巣箱、メジロは枝の上に、カルガモは地面に営巣する。シジュウカラでは先に巣箱に入ったオスがメスにアピールするように顔を出す行動も見られる。
 巣をつくる場所の最終判断の多くはメスに委ねられている。これは人間のようでもあり、おもしろい。

 この時期の寄せられる質問としてもう一つ、「野鳥のヒナはいつ、どうやって巣立つのか?」ずっと巣を見守っていたらいつの間にか巣立っていて、巣箱が空だったということはよくある。スズメのヒナは午前中に巣穴から飛び出し、ハシブトガラスでは夕方、枝移りするように巣立つ。他の多くの種も含めて、親鳥は給餌を控えることで巣立ちを促すようだ。

 夏まで続く野鳥の子育て、温かく見守ってあげていただきたい。

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