スウェーデンでは幼稚園から成人教育に至るまで、公教育が無料である。成人教育では、さまざまな職業教育や趣味・文化の学習のほか、小・中・高校で提供されている科目が成人向けに提供されており、20歳以上のスウェーデン住民は誰でも履修できる。そこで筆者もスウェーデン語講座を受講し始めた。今回は、その履修説明会で驚いた「評価」について書いてみたい。
■全国共通の評価基準
講座では、修了時にAからFまでの成績がつけられる。Aが最も良くてEまでが合格、Fは不合格である。A、C、Eを取るための評価基準は、数個の観点について、全国共通の規定として教科・科目ごとに文章で定められていて、到達度がAとCの中間あたりだとBになる。この絶対評価による成績の付け方は、成績をもらい始める小学校6年生から成人教育に至るまで、すべての教科で共通である。 かつては正規分布に基づく相対評価で成績がつけられていたが、1990年代以降、学習指導要領、ナショナル・テスト、全国共通の評価基準と連動して評価方法の改革が行われ、現在では絶対評価による成績付けが定着している。 筆者はこうした一般的なシステムは理解していたが、履修説明会ではこれに加えて、AからEの内で「自分の目標」を設定するように言われた。……

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

OECDのシュライヒャー教育・スキル局長が7月に来日し、日本の教育への提言を行った。その提言を要約すると、次のようである。 (1)学習指導要領の改訂実施を優先する(2)学校と地域社会との連携・協働関係を強化することで、包括的・全人的な教育制度を維持する(3)生涯学習を強化し、義務教育以外の教育へアクセスする経済的手段を拡大し、平等を促す。……

文科省の遠隔合同授業の委託事業で、熊本県高森町と鹿児島県徳之島町は、小規模の学校や離島・山間地の教育課題の解決を目指し、3年間の継続的な取り組みを進めた。実践では、試行錯誤しながらも確実に児童生徒の学力向上が実現した。これらの実証地域にアドバイザーとして関わり、共通に見えてきた成果と学習活動のポイントとして、次の三つを挙げる。 ①多様な考えで学び合う学習活動 小規模校では、児童生徒の価値観や人間関係が固定化されがちで、多様な考え方やものの見方を学ぶ機会が少なくなる。……

「各地の学校で新学期が始まる中、文部科学省は子供たちのランドセルなどが重すぎるという意見を踏まえて、宿題で使わない教科書などは教室に置いて帰ることを認めるよう、全国の教育委員会に対して求める方針です」。いわゆる「置き勉」を認める措置を行政が指示したことを報じた(9月3日、NHK総合)ものだ。 「置き勉」とは、登下校時の荷物を軽くするために、児童・生徒が教科書などを教室に置いて帰ること。「置き勉強道具」の略(「知恵蔵mini」解説)である。「脱ゆとり教育」への転換を図った2011年度以降、小・中学校で教科書の大判化やページ数の増加が進んだ。…… 当然、子供たちが毎日持ち歩く荷物の重量も増える。……

宮城教育大学名誉教授 見上 一幸

南太平洋のキリバスに帰化した日本人の方から、地球温暖化に関わる現状を聞く機会があった。「先進国のつけを、温暖化の原因にあまり関わらないわれわれがなぜ払わされるのか。愛の反対とは憎しみではなく、無知と無関心であるから、関心を持ってほしい」という言葉が心に残った。その国の文化や生活体験を持つ人から直接聞く言葉は重い。 地球温暖化について新聞や文献などからの知識はあったが、その国に住む人から直接聞けたのは初めてでリアリティーがあった。日本も大地震や津波だけでなく、巨大台風、豪雨洪水、猛暑と、温暖化に関係のある災害も多く、ひとごととは思えなかった。 気候変動への取り組みは、2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標の中の一つ。……

雨晴クリニック副医院長 睡眠専門医 坪田 聡

睡眠と覚醒のリズムは、「体内時計」と「睡眠物質」の二つでコントロールされている。体内時計は、夜になったら眠くなり、朝になったら目が覚める、というのが働きだ。一方、睡眠物質は、長い時間起きていると睡眠物質が脳にたくさんたまって眠くなり、眠っている間に睡眠物質が分解され、量が減ると目が覚めるという仕組みになる。 この睡眠と覚醒のメカニズムから考えると、たくさん眠っても「寝だめ」はできない。私たちは、起きている間にたまった睡眠不足を眠ることで返しているだけなのである。 睡眠不足は「睡眠の借金」とも言えるが、脳内にたまった睡眠物質が分解されて借金がゼロになったら終わり。……

東京都立光明学園統括校長 田村 康二朗

東京都では1969年、横浜市と時を同じくして障害で通学が困難な児童生徒への訪問教育を開始した。都は74年から、養護学校への希望者全員入学も開始している。 重度の障害がある児童生徒の在籍者が増える中、各養護学校にはたんの吸引器が備えられるようになった。そうした医療的ケアが必要な児童生徒の対応は、原則として保護者が当たることになっていた。 大阪府は、平成(1989年)に入って医療が必要な児童生徒の増加に伴い、「医療との連携のあり方に関する検討委員会」を設置。……

筑波大学附属小学校教諭 青木 伸生

◆文章を丸ごと読む
国語の授業は、子供が言葉の力を付けるために行われる。読みの授業では、読む力を伸ばすことが目的だ。 今までは、子供に45分という限られた時間で力を付けてもらうため、場面や段落を限定して範囲を絞り、言葉の意味を細かく丁寧に確かめたり、想像したりする学習を積み重ねてきた。 こうした学習は大切で、これからも行う必要がある。……

横浜国立大学教育学部博士・高野陽介

肢体不自由の生徒をサポートする上で、「特別支援教育コーディネーターの活用」や「専門性のある教員の配置」に関する課題もある。 特別支援教育コーディネーターは、学校の特別支援教育を推進するため、主に校内委員会や校内研修の企画・運営、関係諸機関や学校との連絡・調整、保護者の相談窓口の役割を担う。 筆者が全国の全日制、定時制課程の高校4939校(2015年度・学校基本調査参照)に実施した調査では、回答校全体(1536校)の特別支援教育コーディネーターの配置状況は約70%だった。……

あるテレビ番組で、子供に代わって業者が宿題をする「宿題代行サービス」が取り上げられていた。恥ずかしながらこうしたサービスの事情に疎く、その盛況ぶりに大変驚いた。 サービスを利用したことがある保護者に多くみられるのは「塾や運動など、宿題よりも優先させたいことがある」「宿題を見てあげる時間が取れない」といった意見だ。反対意見で圧倒的に多いのは「自分でやらないなら宿題の意味がない」というもの。 ツイッター上でも賛否両論の声が飛び交っている。……

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