紙面に掲載した連載の初回分を紹介します。東京家政学院大学教授 長谷 徹学習指導要領の法的根拠を知る  学校教育法第33条では、「小学校の教育課程に関する事項は(中略)文部科学大臣が定める」となっている(幼稚園は第25条、中学校は第48条、高等学校は第52条、中等教育学校は第68条)。したがって、文部科学大臣が定めるということは、国全体の教育課程が同じ定めの中で実施されていく、ということを示している。  これが、例えば「都道府県知事が定める」となっていれば、都道府県ごとに異なった教育課程が実施されていくということになる。「国の教育水準の維持」ということが言われるが、この「文部科学大臣が定める」と法律上なっているので、全国的に同じ教育課程で学校教育が展開されているということになるのだ。  例えば、小学校2年生の算数では、順序や始める時期に異なる面があるにしても、全国どの小学校でもかけ算の九九を学習する。小学校6年生になれば、どの小学校でも日本の歴史を学ぶ。さらに、中学校に入学すれば教科としての外国語(英語)を学習することになっている。  そのために、保護者の仕事の関係などで、遠くの学校に転校しなくてはならなくなっても、少なくとも教科の学習については、内容的には大きく異なることはなく、円滑に新しい学校での学習活動に入ることができるようになっている。まさに国の教育水準の維持ということが、子どもたちの学習の面から言えることになるわけだ。  この文部科学大臣が定めるものが、幼稚園では「教育要領」であり、小・中・高等学校では「学習指導要領」なのである。学校教育法施行規則第52条では「小学校の教育課程については(中略)教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする」と定められている(幼稚園は第38条、中学校は第74条、高等学校は第84条、中等教育学校は第108条)。このように、学習指導要領は法律に定められた教育課程の基準なのである。連載一覧へ

 紙面に掲載した連載の初回分を紹介します。監修 社団法人日本家庭生活研究協会 児童文学作家・元教員 鈴木 喜代春学校(発見)と家庭(発展)の相互学習で  今から50年ほど前、初めて小学校1年生を担任したときに、A男が「テスト用紙」を捨てていた。話を聞くと、「点数の悪いテストを持っていくと、隣のB男より悪いでしょうと、お母さんに叱られるから捨てた」という。  ここで私は、「家庭通信・青空」に「点数のわるいテストをあずかります」と書いた。すると、「先生は勝手」「先生はいい気になっている」「先生は生徒を甘やかしている」と、たちまち父母から激しい攻撃にあった。  そこで私は、父母に学校教育と家庭教育の相互作用を求めて、次のような提案をした。  ①「教育」における上昇作用(発見)と下降作用(発展)  学校教育にも家庭教育にも、それぞれ上昇作用と下降作用がある。上昇作用は、「新しい内容」を順序よく、わかるように教えること、それは「発見」。下降作用は、学んだ内容をより確かに、豊かにすること、それは「発展」。  ②例えば、小学校1年生で初めて「花」という漢字を学ぶ。小学校5年生で初めて「日本の農業」を学ぶ。これらが上昇作用(発見)ととらえる。  ③学んだ「花」の漢字をノートに、2回、3回と書いて、より確かなものにするとか、「日本の農業」の学習のあとで米づくりの物語(私の著作『十三湖のばば』など)を読んで、さらに豊かなものにするのを下降作用(発展)とおさえる。  このように、学校教育において上昇作用(発見)と家庭教育における下降作用(発展)が同時に進められるように父母に提案した。  例えば、学校で「花」の漢字を学んだら、家庭でも「花」の漢字を3回4回と書いて正確に覚え、発見を確かなものにしていく。家庭では、「花」の漢字を入れた「花」の絵などを描くこともできる。「日本の農業」では、「現場見学」に行くとか、農業体験をすることも可能だ。このように家庭学習として下降作用をしっかりと取り組んでくれることが好ましい。  学校教育と家庭教育は同じことを反復するのではなく、「教育内容」によって相互作用が活発になるように工夫し、子どもたちにとって学習がさらに面白くなり、質的にも高くなり、体感で理解されるようにしてほしい。  苦労しながらの実践だったが、教師の私と抗議してきた父母との葛藤の結果、共に喜び合ったことを思い出すことができる。父母に家庭教育の機能をどのように発揮したら良いのかをたゆまず知らしめることも先生の役割だ。 連載一覧へ

 紙面に掲載した連載の初回分を紹介します。 教育創造研究センター所長 髙階 玲治 講話がうまくいくオマジナイ  校長にとって最も気になることの1つは、毎週月曜日に行う全校児童(生徒)への講話である。何を話すか、ネタが浮かばず、サタデーシンドロームになる校長も多いという。そのための種本も売れている。  そのような校長の悩み解消に「カンカラコモデケア」という呪文を唱えたら、と考える。  実は、入社試験で学生が最も手こずるのは作文、また差がつくのも作文というので、昔『カンカラ作文術』なる本があった。毎日新聞社の山崎宗次局長が作文術指導の私塾を開いた、そのエッセンスがカンカラコモデケアである。私も時々唱えている。  入社試験の作文は短い。その範囲で読む相手に自分の思いを率直に伝える必要がある。そのためテクニックが求められる。私塾は20年続いたが、毎年多くの合格者を出したという。残念ながら山崎氏はこの図書を出版して間もなく亡くなった。  そのオマジナイの正体は何か。  カン=感動  カラ=カラフル(多様性や豊かさも含む)  コ=今日性  モ=物語性(問題性)  デ=データ  ケ=決意  ア=明るさ(愛、アイデアなど)  括弧内は私見であるが、このような視点を作文に要求する。すると、作文は見違えるように変わる。  講話も同様である。話し方にもカンカラが必要である。例えば、カン=何よりも講話の基底には感動が必要である。話す内容がおもしろい、という話者の意気込みがほしい。また、カラ=起承転結に妙があり、テクニックが必要とされる。聞く側が納得、という思いが必要である。つまり、次の視点がほしい。  カン=話に感動があったか  カラ=話の内容が多彩で動きがあったか  コ=子どもの今日的な感覚に合っていたか  モ=物語や問題への視点があったか  デ=説得力のあるデータが提示できたか  ケ=今日はこの話をという決意があったか  ア=話に明るさがあり、余韻が残ったか  講話は印象が残ることが大切で、パワーポイントなども有効に使いたい。  毎回、新たに講話を創作することは難しいから、「講話例集」など参考にすることも多いであろうが、そうした例話をカンカラ術で作り直してみる。すると自校の子どもにフィットする面白い内容に再生できる。  実のところ、カンカラ術を授業でやっては、と紹介することがある。授業参観する場合も、この視点からみると違った姿が見えてくる。この図書のカバーに日下公人氏が「作文だけでなく、話し方も生き方もカンカラでよいと思っている」と書いていた。同感である。 連載一覧へ

どこが違うの?合否を分かつ決め手 人物重視の観点から最近の教員採用試験では、面接試験に重きが置かれています。しかしながら、面接への対応は急場しのぎで行うことは難しく、日頃からの準備が何よりも大切となっています。 そこで、面接ではどのようなことが聞かれ、どのような回答が的確なのか、面接官の心をとらえる回答はどのようなものなのか、また一方、一見うまく答えているようでも、的をはずしているような回答はどのようなものなのかの両者を具体的に提示することで、合否のポイントをおさえ、教員志望者の受験準備に供したいと考えています。(編集部)質問 体罰についてどう思いますか ○(マル)回答 教師は、子どものいい点をほめ、悪いことをしたり、いけない言動のあったりした時は、きちんと叱り、諭さなければならないと思います。そうすることにより、学習規律は確立できるし、子どもの規範意識も育ちます。 私は、子どもを慈しむとともに、子どもを叱れる教師になろうと思います。 ただし、体罰を加えてはならないと承知しています。肉体に苦痛を与え、身体を侵害することが体罰、それに言葉の暴力にも気をつけます。 殴らない、蹴らない教育、子どもへの叱り方の工夫を、私は先輩教師たちから学びたいと考えています。その出発点は、私と子どもたちとの人間関係を深めることにあると考えて、学級経営に努力します。 【コメント】  体罰について答える前提として、教師がどうあることが大事かに触れている。 子どもを叱れない大人、教え諭し導くことを忘れがちな大人の現状にも眼を向ける。叱り方の工夫ができる教師を目指し、体罰については的確に否定する。 体罰について答えながら、学級経営にまで目を向けた好ましい回答となっている。 ×(バツ)回答  体罰は、学校教育法第61条で禁止されています。殴る、打つだけではなく、授業中用便に行かせないことや、遅刻した生徒を教室に入れないことも体罰になります。体罰を加えれば、教師は処分されます。したがって、私は体罰を行いません。 でも、子どもが安心して学べる、規律のある学校が望まれています。教育再生会議では、それも議論されていると教授から聞きました。 ですから、校長の言いつけをよく守ることも大事だと思います。そして、体罰は教師が興奮した時に発生しがちであるとも聞いたことがありますので、教師は忍耐強くないといけないのだろうと考えます。 私は、家庭(保護者)と連携して、体罰を行わない教育の実現に努めます。 【コメント】  体罰が法令で禁止されていること、体罰を加えた教師には懲戒処分のあることなど、理解している諸点を述べている。 ここから、回答としては一見申し分のないように思える。しかし、校長の言いつけをよく聞くこと、忍耐強く子どもに接することなどだけでは、教職志望者としての構えを強く印象付けることができるだろうか、首を傾げるところである。   ポイント 教師としての構えを打ち出す  ▼連載・特集一覧へ

教員採用試験の面接では、話す内容以前に、受験者のマナーや所作が、面接官に大きな印象を与え、評価の際の重要なポイントになります。 そこで本紙では、面接指導の実績のある土田萬里子・STFグループ代表が、面接の基本的なマナーから、第一印象を高める方法、所作や話し方など、面接対応術について指南する連載をスタートします。(編集部)5原則を学めば面接はOK! ▼面接時での好感度アップ5原則  これから10回にわたり、教員試験の合格を目指している皆さんに、面接試験での効果的な面接対応術を連載していきます。並行しながら、記述試験の勉強もぬかりなく進めてください。  企業面接には、教員面接と違った要素が含まれます。本来の目的と離れていると思っても、教員試験と同時に企業面接を受けてみるのも、勉強の1つです。世の中が多様化している昨今では、企業人としての仕事の仕方にも、学ぶものが多くあるからです。  企業の求める大きな柱となってきたものは、顧客満足意識とコンプライアンス(法令順守)であるのはご承知のとおりですが、教員採用では「教育」に携わるのに適正かどうかが第一目標になります。企業の顧客に当たる子どもや親への教員としての対応には、ビジネスマナーの習得は必須になってきたように思います。面接時に生かせるビジネスマナーを身につけて、面接に勝ち抜きましょう。 ▼第一印象の好感度を上げよう ・面接の印象を上げる5原則 第1原則 身だしなみは細部に気を配り、奇をてらうことはしない 第2原則 挨拶は一味加えて有効に 第3原則 相手を引きつける眼力、顔力で魅力づくりを 第4原則 意思を伝える会話力、表現力を身につける 第5原則 好感のもてる話し方、正しい言葉づかいで  第1原則の身だしなみについて見てみましょう。  面接は第一印象で決まる、つまり入室から着席、自己紹介に至るころまでには、ほぼ面接官の合否は決まっているといっても過言ではありません。視覚情報は記憶に強烈に残るからです。  身だしなみのポイントは、まずは清潔であり、機能的であること、周りとの調和、TPOにふさわしいかなどがあげられます。教員の場合は教養が感じられ、品があり、控えめであることが望ましいのです。子どもや若い人には受けて似合っている服装も、保護者や先輩教師などの目は厳しいかもしれません。  ましてや面接官は地位も高く、経験の豊富な人ばかりです。  黒は礼服の色なので、男性はダークスーツのほうがよいでしょう。スーツを整えるときには、立ったり座ったりしますから、一番下のボタンははずします。座ったときに太ももにこぶしを置くのは、気持ちも引き締まり、凛としてすがすがしく思えます。女性は利き手でない方の手を軽く重ねるときれいです。  眼鏡、ネクタイ、ベルト、靴、靴下、アクセサリーなどは、目立つと相手の目がまず先にそこへ行ってしまうという欠点があります。面接官の気をそらすものより、標準的なものをお勧めします。   コラム・達人の「どうも気になるそのマナー・小物編」 ★眼鏡の形や色 眼鏡の大きさや縁の色は印象を大きく変えるもの。自分で決めず、他人の意見を聞いて研究すること。黒縁や、サイドのフレームの幅が広いものは避ける方がよい。 ★靴・靴下の形や色 白のスポーツソックス、くる節までの短ソックスは革靴にはだめ。座ると靴下がずり落ち、脛が見えるなどは不格好。靴底はゴムでないもの、靴先はとがっていないものの方がよい。スリップオンよりひものほうが格は上。女性はサンダル、ヒールの極端に高く細いものはやめること。 ★アクセサリー 常用しているミサンガ、指輪などは外すことを忘れがち。普段は時計は使わずに携帯電話で済ませる人も、シンプルな腕時計をつけていたほうがよい。女性のイヤリングは、面接にはあってもなくてもどちらでもよいもの。ピアス痕が目立つなら、ぶら下がらない上品なものを使用する。▼連載・特集一覧へ

採点官の目を引くために教員採用試験では、人物重視の視点から、論作文の配点比重が高まっています。どんなに作文が得意でも、自己流の対策だけでは対応できないのが現状です。  本紙でも、これまで「教員志望者のための論文講座」など好評連載を掲載してきました。今回からは、試験でも頻出するさざまな教育課題を、どのように見たて、論じていくのか具体的に伝授する「他と差をつけつ論作文のっポイント」をスタートします。執筆者は、教育委員会指導室長や学校長を歴任し、教員採用試験を熟知した長谷徹・東京家政学院大学教授。わかり易く核心をついた解説が好評です。(編集部)<添削編> 【論文テーマ】  あなたが担任になった学級は、一部の児童生徒の人の心を傷つけるような言動により、学級としてのまとまりに欠く心配があることがわかりました。あなたは、学級担任として、1学期のスタートの時期にどのような学級づくりを行いますか。具体的に書きなさい。(800字で執筆) 【論文例】  メディアの影響を受けたと考えられる児童の乱暴な言動は、重要な生徒指導の課題であると考える。  まず私は、学級担任として言語環境を整えることに努めたい。児童は大人の姿を見て育つ。特に小学校では担任教師が児童に与える影響は大きい。そのため、教師自身が言葉遣いに気を配り、児童が言葉遣いを改めることができるような環境整備が大切であると思う。また、暴力的な行為においては、どんなことがあっても手を出してはいけないということや、命の大切さについて、日頃から伝えておく必要があると考える。  次に、月ごとに児童の実態に見合った生活目標を掲げ、継続的に指導していきたいと考える。学級全体としての目標を示すことで、暴力的な言動がみられる児童だけでなく、他の児童も自分や友だちの言動に意識を向けることができると思う。そして、その目標を教室に掲示し、視覚的にも訴え、さらに意識を高めたい。  児童が乱暴な言葉遣いをしていたり、友だちを傷つけるような行動をとっていたりしたときには、十分に話をし、その言動を取り上げ自分の言動は適切であったか、その言動により相手はどう感じたのかをじっくり考えさせたいと思う。一つひとつの場面で丁寧に根気強く対応し、自分の言動を見直す機会をつくることが大切であると考える。しかし、ただ表面に現れた乱暴な言動のみを見るのではなく、なぜその言葉を発し、その行動をとるにいたったのか、状況の本質をしっかりと捉える必要があると思う。そのためにも、日頃から児童の弱さや悩みを知っておくことが重要であると考える。  日常生活の指導だけでなく、道徳の時間を使って、思いやりをもつことの大切さを伝えていきたい。教師主導型ではなく、話し合いなどを取り入れ、児童自身に考えさせる授業を展開したいと思う。  人を思いやる心があれば乱暴な言動はなくなり、規範意識も芽生えると思う。私は長期的な計画をもって指導にあたり、学級づくりを行いたいと考える。 ▽大学4年生  清水のぞみ(仮名)   【論作文に対する論評】 即時から中長期まで 危機感に立った対応示す  「学級が正常な姿で運営することができない。どうすればいいか」という危機感に立った論文になっている。全体的にまとまりのある論文になっているが、それは児童に対する指導について、継続性が大切なことや目の前のことを見逃さずに即時対応すること、さらには、道徳の時間の活用等に触れているように長期的な対応についての重要性にまで触れていること等が質の高い論文になっているゆえんである。  もう少し具体的みてみよう。こうした学級における児童への対応では、まず、正しくない言動や行動があったときは、それを見逃さずにその場で初期の指導をすることが基本である。その場合、大切なことは、児童から聞き出す、児童に話させる、という姿勢である。論文中の「十分に話をし」や「児童の弱さや悩みを知って」といったことがその例である。  中期的指導について、論文では、「教師自身の言葉遣い」も含めて述べている。共に歩むという姿勢が児童の共感を呼び、課題の解決に向かったという実例もある。大切にしたい姿勢である。また、長期的な展望に立った指導について論文では「道徳の時間を使って」という例を挙げているが、じっくりと児童の心情等をはぐくんでいくということも正常な学級経営にしていくためには重要なポイントである。  さらに、本論文を質の高い論文にするためには次の点についての改善を図りたい。  まず書き出しであるが、いま少し危機感を自分自身の問題として強調したい。単に「生徒指導上の重要な課題である」というだけではなく、喫緊の課題、緊急に対応しなければならない課題といったとらえ方が必要である。また、論文のまとめでは、自分自身の思いをしっかりと訴えるという点から、「○○と考える」「○○と思う」といった表現ではなく、「○○である」「○○と取り組んでいく」というような、きっぱりと自分の意志や意欲を伝えていきたい。  ▼連載・特集一覧へ

梶井 貢 総合初等教育研究所室長学校現場の経験の少ない受験者にとって、場面指導の回答はやっかいなものです。連載では、面接や場面指導で求めらる、具体的な指導場面の対応についてポイントを解説します。(編集部)〈学習指導その1〉事故、けがは専門的指導を受ける 質問 あなたが体育で跳び箱の指導をしていたとき、子どもが跳び箱から落ちて、頭部を強打しました。あなたならどう対応しますか。 [回答例]  ▼よくない例=まず、跳び箱から落ちた子の頭部の様子を観察し、本人から確かめる。特に顔色も変わらず、痛がってもいないので、少し休憩させた後で跳び箱を続けさせる。  ▼よい例= 落下した子の様子を直ちに観察し、本人から、痛みや腫れがないか確かめる。その後、仮に大丈夫そうだと判断しても養護教諭のところに連れていき、その後の対処を依頼する。その間、全体の子どもには座って待っておくように指示する。 [質問のねらいと指導のポイント] ▼ねらい=学習指導中のあらゆる場面で子どもの事故は起きる可能性がある。ここでは、体育の授業中での事故に対して、受験者がどのような対応策をとれるかを具体的に回答することが求められている。 ▼指導のポイント=①落下した子の頭部の様子や本人からの確認で担任が大丈夫だと判断しても、専門的な立場から養護教諭の指導・指示を受ける。勝手に担任の見立てだけで判断しないことが肝心。 ②脳震とうを起こしたり、腫れがひどかったりした場合は、直ちに養護教諭を呼び、その指示に従い、医師の診断を受ける必要がある。 ③特に首から上(後頭部、脊髄、歯・目・耳など)のけが・事故については、万一のことを想定して万全の対応、対策をとることが肝要である。 ④「学校は安全で、楽しいところ」とするのが担任の最大任務である。したがって、学校でのけが・事故などの防止については最善の注意を払い、事故対応を徹底する必要がある。▼連載・特集一覧へ

 紙面に掲載した連載の初回分を紹介します。臨床心理士 小見 祐子生徒にイライラしてしまう 「べき思考」を改める 問 中学校1年生の担任です。しっかりした中学生になってほしくて生徒を厳しく指導していますが、なかなか言うことを聞かない生徒がいて、イライラしてしまいます。どうしたらよいでしょうか? 答 まず、イライラや怒りなどのネガティブな感情をコントロールできないまま「厳しい指導」という行為を行っていないか、感情が表に出て「指導」が生徒にとって脅威に感じられる行為になっていないか、チェックしてください。指導と「感情的に怒鳴ること」とは異なります。  ネガティブ感情を表に出して「厳しい指導」をしてしまうと、感情を生徒にぶつけてしまうことになり、生徒はおびえるだけで指導の効き目はありません。むしろ、生徒にとってネガティブ感情表出のモデルとなってしまい、教師が生徒の感情の爆発を引き起こす「負の連鎖」に陥ってしまうおそれもあります。  感情的な指導はこのように、生徒に深刻な悪影響を与えてしまいかねません。  そのため、ネガティブ感情が指導という形を借りて表に出ないよう、自分の感情を常に点検することが大切です。  さらに掘り下げると、「中学生はこうあるべきだ」という極端な思考パターンになっていないかというチェックも必要です。何かをしようとするときに「○○すべき」「○○すべきでない」と考えると、できなかった場合に暗い気分になってしまいます。さらに、他人に対して「べき思考」を向けると、思い通りにならなかった場合に、怒りやイライラなどのネガティブな感情が生まれてしまいがちです。これだけでもストレス状態に陥りやすくなってしまいます。  もちろん「べき思考」がすべて悪いわけではありません。法律などでルールが決められているときなど当然の場合もあります。でも、概して「べき思考」の範囲は多くなりがちです。そこで、「○○すべき」を「○○にこしたことはない」という言葉に変えてみてはいかがでしょうか? こうすれば、思い通りにならなくても、ネガティブ感情は生じにくくなります。 【臨床心理士がひと口アドバイス】  臨床心理士の小見祐子さんによる連載「スクールカウンセラーのひと口アドバイス」がスタートします(月1回、当紙面に掲載)。教職員とは異なる視点から、学校現場にアドバイスを送ってもらいます。 連載一覧へ

 紙面に掲載した連載の初回分を紹介します。教育創造研究センター所長 髙階 玲治 新学習指導要領が告示された。  ほぼ10年ごとの改訂が繰り返されたが、前回の告示の場合、学習内容3割削減に対する学力低下の危惧の声が巷にまきおこったことは周知のことである。  だが、今回はどことなく学校や教師の雰囲気が沈みこんでいる印象を受ける。「やっと変わった」という安堵の思いではなく、「教える内容が多く、どうこなすか」という受身の姿勢が濃厚である。教師のインセンティブ(やる気・誘因)が低下している。  前回の場合、学力低下を危惧する声は高かったが、反面では、総合的な学習の時間の導入という未知な分野への強烈な刺激があった。その前の90年代の改訂では、生活科という新たな教科の導入が目玉であった。  さらに、初めて「ゆとり」が導入された80年代は学校の創意活動が盛んで、「ゆとり教育にゆとりなし」の状況を生み出した。学習指導要領の改訂のたびに、何らかの新たな動きが際立ってみられたのである。  今回の目玉は何か。小学校外国語活動がムードメーカーになるであろうか。ただ、すでに年間数時間程度であるが実施している学校がかなり多く、今後どの程度盛り上がるであろうか。むしろ、ALTなどの条件整備が十分できるか危惧する声が大きい。  言語能力育成はどうか。期待したい課題であるが、新教科書が数年先で、その間、手探りの実践が続く。PISA型学力も同様である。  ただ、当時の生活科や総合的な学習の時間の実施に対する大きなうねりは、完全実施までの移行期間に集中している。未知へのチャレンジが、教師の関心を増大させていたのである。  今回の改訂は完全実施まで数年ある。移行期をどう盛り上げるか、が重要である。 だが、今回の改訂で教師のインセンティブを低下させているのは、これまで以上にやることが多くなるという警戒感が根底にある。  基礎・基本の徹底と活用・探究の重視の統合、総合的な言語活動能力育成と理数教育の向上、国際化に向けた外国語教育の強化とわが国の伝統・文化の尊重、体験活動とレポートなど記述重視、生活規律や徳育への指導強化など、かなり盛りだくさん、という印象が強いのである。  国際標準に向けた学力向上や、わが国の存立基盤としての教育の拡充を考えれば、あれもこれもと盛りだくさんになることはある程度やむを得ないが、そのことが教師個々に受容され、インセンティブを高揚できるかという点で、新たな課題が見いだされるのである。  新学習指導要領の告示は、これからの豊かな教育の実現に向けて学校力や教師力の向上へのスタートである。 連載一覧へ

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