(本紙編集局はこう読む 深掘り 教育ニュース) 部活ガイドライン受け 4月になすべきこと

妹尾写真教育新聞特任解説委員 妹尾昌俊(教育研究家、中教審委員)

■部活ガイドラインのポイント

スポーツ庁において、「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」が、間もなく取りまとまる予定だ。

少なくとも週2日の休養日を設けること、活動を平日は2時間以内、休日も3時間以内とすることなどを中学校、高校に求める内容である。

国がこうした規制をかけようとすることには賛否あると思うが、長時間の運動はけがやバーンアウトのリスクを高める、という科学的知見を踏まえてのものだ。

また、たとえ生徒や保護者が求めているとしても、部活で長時間拘束するのではなく、子供の学習時間や友達、家族との時間、自由な時間などをもっと認めていくべきであろう。

顧問教諭の負担という大問題に加えて、このように、生徒目線で見ても、今の部活の実態は見直すべきところが多々ある。

そういう問題意識で、今回のガイドラインは作られている。

さらにガイドラインでは、季節ごとに異なるスポーツを行う活動や競技志向でなく、友達と楽しみながらレクリエーション志向で行う活動なども検討することとされている。

子供たちが生涯にわたって、スポーツに親しめるようにすることも大切にしたい。

■学校は、校長は何をどうするべきか

国のガイドラインを受けて、各都道府県や市区町村教委などは、その地域のガイドラインや活動指針を出していくことになると思う。

文科省の来年度予算では、約4500人の部活動指導員の配置支援が予定されている。

全国1万校の中学校があることや、高校は対象外となっていることなど、まだまだ不足はあるが、厳しい財政事情の中での新規事業である。この支援を受けるには、国のガイドラインを順守し、それを踏まえて活動方針などを作ることが必須要件となる見込みなので、来年度のかなり早い時期に、各地方の活動方針などが出てくるだろう。

スポーツ庁の規制は運動部に対してのものだが、吹奏楽部など一部の文化部では、通常の運動部以上の練習量のところもあるのは周知の通りだ。文化部も含めて、休養日や活動時間を設定していく自治体も多くなると思う。
こうした動きを参照しながら、学校としては、最低限、国が示した内容を守っていくようにするべきだ。

校長は4月当初、部活動の顧問の分担を決めるときなどには、いくら「部活命」という教員がいたとしても、そこはしっかりと確認しておくべきである。

「生徒がもっと練習したいと言っています」は、言い訳にならない。これは冒頭に述べた、今の問題点から明らかである。

■校長が入学式の日に保護者に伝えるべきこと

この4月の入学式とその後の保護者説明の場は、最大にして、唯一と言ってもいいくらい、重要な場である。なぜなら、これほど保護者が学校に集まり、校長の話を聞いてくれる場はないからだ(PTA総会でも保護者は集まらない)。

通常は、部活動勧誘のPR合戦が繰り広げられるのが、入学式の後の風景だ。それも大いにけっこうだが、ぜひ、校長は次のことも話してほしい。

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★部活動は重要な意義があるが、生徒のけがを誘発する影響や、顧問の負担など、深刻な問題もある。

★国(スポーツ庁)も休養日や練習時間の上限を設けるよう、全国の学校に求めている。

★部活動は、学習指導要領上、設置、実施することが必須のものではない。また、平日は教員の無償労働の下に成り立っている。

★教職員の人事異動に部活動が重視されるものではない(現実にはそういう地域もあるが、本来の姿ではない)。去年の顧問はここまでやってくれた、今年の顧問は頼りないなどのクレームは、なしにしていただきたい。

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部活動改革は、いまスタート地点に立ったばかりである。ガイドラインを単なる紙切れにせず、よりよい部活動を運営するためにも使ってほしい。