子供たちの夢台無しにした日大アメフット部

【解説】 日本大アメリカンフットボール部の選手が関西学院大の選手に全治3週間のけがを負わせた反則行為は、日大がフットボールスクールを通じて子供の成長に関わってきた取り組みを台無しにしてしまった。フェニックス・フットボール・クラブ(PFC)は、日大アメフット部がサポートする子供向けのフラッグボールチーム。アメフット起源のフラッグフットボールは、タックルに代えて選手の腰の左右に着けた「フラッグ」を取り、選手同士の身体的接触を原則禁止としているのが特徴である。

日大側はスクールについて「スポーツから学べるさまざまな教育的要素に注目し、幼少年期に養われるべき精神面での成長を促す事も重視している」と教育効果を訴え、子供たちの参加を呼び掛けてきた経緯がある。

5月6日の第51回定期戦で発覚した反則行為は、競技プレーとは関係ない場面で日大選手が関学大選手に突進し、背後からタックルした。日大選手はその後も2回の反則行為を重ね、退場処分となった。関学大の選手はけがで試合に戻れなかった。

なぜ、日大選手の反則行為が3度も許されたのか。だれが選手の暴走を許したのか。監督の関与があったかどうかが焦点である。

体を激しくぶつけ合うスポーツは、ルール尊重と順守が優先される。悪質なプレーが原因で選手が傷ついては試合そのものが成立しなくなる。ファンも子供たちも、悪質プレーは望んでいない。

日大と関学大は大学アメフット界を代表する強豪で、永遠のライバルである。ライバルに負けたくないという勝利至上主義が反則行為につながったのか。PFCに参加する子供たちや保護者にも説明すべきである。

「意図的な乱暴行為を行うことなどを選手に教えたことは全くない」と結論付けた5月15日付の関学大への回答書は、身内の調査結果である。身内は身内に甘く、身内を裁けない。公平性、中立性が担保された結論とは言い難い。日大側は早急に第三者委員会を立ち上げ、子供たちの疑問を解消するためにも、反則行為の真相を究明する必要がある。(編集委員・谷俊宏)

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