永久追放処分とした選手 倣うべき日大監督の責任

5月6日のアメフット定期戦で関西学院大の選手に全治3週間のけがを負わせた日大の加害選手が沈黙を破り、反則行為の経緯を明らかにした。加害選手が5月22日に記者会見を開いた理由は、反省し真実を明らかにすることが「償いの一歩になる」と考えたためだった。「アメフットを続ける権利は僕にはない」と述べた加害選手は、悪質プレー後にぼうぜん自失となり、自らを責め、泣いたことを打ち明けた。最後の局面でアメフットに培われたフェアプレーの精神を発揮したともいえる。彼はアメフットを冒とくし、アメフットに救われた。

それに対し、相手の関学大選手を「つぶしてこい」と繰り返し迫った内田正人監督(当時)や井上奨コーチら指導陣は依然、沈黙を守ったままだ。スポーツマンシップのかけらもないのだろうか。加害選手と保護者が11日に内田氏らと面会した際、反則行為について「指示があった」と公表するよう求めた。しかし、内田氏らはこれを一蹴したと加害選手は会見で言及した。日大側は、はなから反則行為の真相究明を否定していていたことになる。これは隠蔽体質と批判されても仕方がない。事実を軽視して伏せたり、否定しねじ曲げたりする態度と誰もが受け取る。

看過できない体罰や事故が教育現場で起きるたび、学校は第三者委員会を設け①事実の解明②責任者の処罰・処分③再発防止――に取り組んできた。再発防止は、事実の解明に基づく責任の所在と責任者の処罰がなければ、実行できないことを教員は十分理解してきた。日大側が真相究明や責任者処罰を否定する以上、悪質プレーをフィールドで繰り返さないと誰が言い切れるだろう。

加害選手は、やり得や逃げ得はスポーツマンシップに反すると自らを大学アメフット界から永久追放処分とした。内田氏ら指導陣の取るべき道は一つである。加害選手の求めに応じるしかない。(編集委員・谷俊宏)

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