世代間で学びに違い Z世代はデバイス種類関係なし

深掘り・小宮山教育新聞特任解説委員 小宮山 利恵子 (リクルート次世代教育研究院院長)

今月8日、米教育事業大手ピアソンが興味深い調査結果を公表した。「ミレニアルズの先:次世代の学習者たち」(原題は“Beyond Millennials: The Next Generation of Learners”)という題のレポートで、ミレニアルズ世代と呼ばれる24歳から40歳の世代と、Z世代と呼ばれる14歳から23歳の世代の学びに、どのような違いがあるか、両世代に該当する14歳から40歳の2587人を対象にオンラインアンケートを行ったものだ。今回はその調査レポートについて翻訳しながらひもといていく。

■動画を用いた学びが好まれる

同調査によれば、両世代の違いで顕著な点は、Z世代はYouTubeの動画を通じた学びをミレニアルズ世代よりも好むということだ(Z世代59%、ミレニアルズ世代55%)。事実、学びの方法としてYouTubeは教員から教授される方法の次に位置付けられ、授業や教室の生徒同士のグループワーク(Z世代57%、ミレニアルズ世代47%)、本を読むこと(Z世代47%、ミレニアルズ世代60%)よりも好まれている。

また、Z世代はミレニアルズ世代に比べると、大学でテクノロジーを活用して学ぶのは普通で、生活の一部になっており、学校内外でより手っ取り早く学べることも望んでいる。同調査を担当したピアソンの幹部Asha Choksi氏は「未来の学び、特に高等教育を理解するには、どのような仕事が今後新たに出てきて、どのような能力が必要かを考えるだけではなく、子供たちがどのように変化して考えているかを理解する必要がある」と説く。

■学校での学びに価値

他にも、次のような興味深い結果が示されている。

Z世代は社会的な関与、例えば友人との交流にはよくテクノロジーを取り入れているが、実際に学校に行って学ぶことにもまだ価値があると考えている。ミレニアルズ世代の45%がオンライン学習を好んでいるのに対し、Z世代は26%に留まる。また授業中、テクノロジーを使って記録するよりも、紙のノートを使いたいと答えた割合は55%と46%。これらの結果をみると、Z世代はまだ従来の学び方を好んでいるように考えられる。

最近頻繁に議論が見受けられる大学の価値についても、Z世代とミレニアルズ世代はそれぞれ80%と74%が相応の価値があると回答し、「ほとんど価値がない」「全く価値がない」と回答した割合は2割以下だった。オンラインでの学びが登場したことにより、数年前から米国では「大学の学位証」と「オンライン講座の修了証」のどちらが価値があるか議論している。オンライン講座修了と同時に職を得られるものもあるが、両世代は実際にはまだ大学に価値を感じている結果になっている。

学び方以外にもZ世代には面白い傾向がある。将来自分が目指す分野でトップになりたいと考えているZ世代は多く、ミレニアルズ世代との差は20ポイントもある。また同世代は非常に利他的で、ミレニアルズ世代の48%が経済的に恵まれない人を助けたいと回答したのに対し、Z世代の割合は60%に達する。ダイバーシティにも価値を置いており、多様な友人関係は人を豊かにすると回答した人は10人中6人。対してミレニアルズ世代は5割を少し上回る数字になった。

■学ぶデバイスは何でもよい

同調査でミレニアルズ世代とZ世代との学びに関する差が浮き彫りになったが、両世代で結果にほぼ差がなかった点がある。次の二つだ。

第一に、学びにおいて、誰が一番影響を与えているかという問いについてだ。両世代が最も影響を受けていると考えているのは先生や教授。Z世代が78%、ミレニアルズ世代が80%とほとんど差がない。先生の次に位置付けられているのが、親で69%と63%。その次が友人で58%と60%と続く。

ほぼ結果に差がなかった第二の点は、学ぶデバイスについてだ。「ラップトップPCで学ぶ」と答えた割合がZ世代が53%、ミレニアルズ世代が55%とほぼ5割を占めており、その後にスマホの15%、14%が続く。ただ、Z世代は「どんなデバイスでも学ぶ」と答える傾向にあるとのことで、目の前にあるデバイスならツールとして何でも使うということだろう。

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