(注目の教育時事を読む)第53回 いじめ防止対策推進法制定・施行5年

eye-catch_1024-768_tyumoku-kyoiku_r20180426藤川大祐千葉大学教育学部教授の視点


国の対策協議会の充実を 実践的な課題への対応求め

◇苦痛を受けている状況の把握を◆

 2013年にいじめ防止対策推進法が制定、施行され、今年9月で施行から丸5年となった。8月2日付の本紙電子版でも、同法を再考する記事が掲載されている。学校や地方自治体に組織的・計画的ないじめ防止対策を促したこの法律が果たしている役割は大きいものの、さまざまな課題が残る。この5年間の状況を踏まえ、いじめ防止対策推進法に基づくいじめ防止体制の課題を検討していこう。

 まず、いじめの定義に関する課題を指摘したい。いじめ防止対策推進法は「いじめ」を「児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの」と定義する。日常的には、いじめというと、力の強い者が弱い者に対して、意図的かつ継続的に苦痛を与える行為だと理解されやすい。

 だが、いじめ防止対策推進法の定義では、子供たちの力関係も、意図の有無も、継続性の有無も問題にならない。……

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