大きな変化、必ず起きる プラス思考で新時代を歓迎

教育新聞特任解説委員 鈴木 崇弘

2019年は、従来にない大きな変化が起きた年として、日本の歴史と私たちの記憶に刻まれることになろう。本稿は、そのうちの主な大変化について述べたい。

天皇の退位・即位

まずは、「天皇」の退位・即位の問題。本年、今上天皇が4月30日に退位され、新天皇が5月1日に即位されて、新しい年号が始まる。天皇陛下のご存命中に新たな天皇陛下が誕生するのは、近代国家になって初めての経験(憲政史上初)だ。陛下や年号が変わると、社会の雰囲気は改まり、新しい状況が生まれ、日本の社会にも大きな変化が生まれることになる。

そうした大きな時代の変化の中で、学校において、日本にとって「天皇とは何か」「天皇制とは何か」を、生徒たちが冷静に学び、考える機会をつくるべきなのではないだろうか。

なお、即位・退位の儀式などが、ゴールデンウイークの時期とも重なり、学校運営にも大きく影響することも記しておきたい。

外国人労働者受け入れ拡大

次が、外国人労働者の受け入れ拡大の問題。昨年12月に出入国管理法が改正され、本年4月から施行される。政府は相変わらず移民は認めていないと主張しているものの、新たな在留資格である「特定技能」を創設することで、従来認めていなかった単純労働分野でも実質的に外国人が働けるようにし、外国人労働者によって現在の労働力不足を補おうというものだ。本改正の審議過程自体への評価は立場によりさまざまだが、この改正内容は、第二次世界大戦後の日本社会に大きな変化を生む可能性がある。

本改正に関しては、外国人への対応の問題、例えば使い捨て労働者、治安低下、外国人の語学力、彼らの家庭の問題などがクローズアップされがちだ。

それは当然だが、実は彼ら外国人を受け入れる日本社会および日本人の問題も、もっと考えるべきではないか。外国人が観光客ではなく、労働者や生活者あるいは家族として従来以上に日本社会に入り、日本人に直接関わり、迫ってくるようになるからだ。

しかもその関係性は、今後も長く続くことになる。社会全体で彼らとどう接し、関係性をどう構築するかを考えていくことが当然必要だ。学校でも、そのための日本人児童生徒への対応や教育、外国人児童生徒へのサポート体制づくり、教員育成も必要になる。学校現場の一部ではすでに考え始めているようだが、これは国・自治体および社会で早急に議論し、実態に即した仕組みや工夫を構築しなければいけない課題であり、待ったなしだ。

憲法改正論議

最後に、本年から議論が本格化するとみられる憲法改正の動きである。

憲法改正に関しては、憲法9条と自衛隊に関する問題が主に注目され、議論されることが多い。しかしながら、先に述べたように、本年は天皇の退位・即位もある。また昨年末、今春「皇嗣(こうし)」となる秋篠宮さまが、すでに国費で賄うことの決まっていた宗教色の強い大嘗祭(だいじょうさい)は、身の丈に合った儀式にし、内廷会計(皇室の私費に相当)で賄うべきであると発言し、話題になった。これは、政教分離をうたう現憲法を踏まえた上での発言であっただろう。そのように、天皇制と現行憲法との間には、いまだ不明な部分がある。

その問題はまた、実は戦後日本の在り方を再考することであり、より本質的な問題である。また現在の日本国憲法が「押し付け」であるかといった問題とも関係する。

憲法改正論議において、戦後日本の経験や問題、課題も踏まえ、今後の日本社会や国の在り方を冷静かつ深く議論し、国民が理解・納得できるようにする必要がある。

本年は、来る2020年東京五輪・パラリンピック大会の開催前年に当たり、開催に向けてさまざまな影響が出てくる。学校の運営や児童生徒への影響とその対応も生まれよう。

社会に大きな変化

以上のように、本年は、日本社会において大きな変化をもたらす出来事が確実に起きる。意見や評価はさまざまだが、それらの変化を日本の今後にプラスに結び付けていく必要がある。そのことだけは間違いないと言えよう。

(城西国際大学大学院教授・日本政策学校代表)