理数軽視と研究開発力の弱体化 人的資本投資が必要


教育新聞論説委員 細谷 美明



先日、勤務する教職大学院のカリキュラム開発論の授業の関係で、1998年改訂の学習指導要領下における教育、いわゆる「ゆとり教育」に関連するいくつかの論文を調べていたところ、77年改訂の学習指導要領までさかのぼり、それぞれの学習指導要領下で教育を受けた世代と、特許出願数および特許更新数の変化との関係を研究した神戸大学の西村和雄特命教授の論文を見る機会があった。

この論文は、「学習指導要領の変遷と失われた日本の研究開発力」(2017年3月)で、他2人の大学教授との共同研究である。研究対象となる研究開発者の年代を学習指導要領が実施された年で分け、高校時代における理数系科目の学習状況と技術者になってからの特許出願数・特許更新数の関係を調査・分析したものだ。

調査結果によれば、80年以降に中学校に入学し、当時の教育課程の下で教育を受けた47歳以降の年代と、それよりも上の年代との間で特許出願数・申請数に大きな違いがあるという。……

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