(本紙編集局はこう読む 深掘り 教育ニュース)未来の教員に求められるものは

自分ごととして考える必要が

現在以上に社会のグローバル化が進み、人口知能(AI)が普及した時代に教員の役割はどう変わるのか。「未来の教員に求められるものは? 経産省・浅野室長らが議論」(本紙6月10日付既報)は、そんな問題を取り上げている。

変わらざるを得ない教員の役割

「未来の教員」「グローバル・ティーチャー」などというと、「自分には関係ない話題」と受け止めるのが一般的だろう。しかし、本当にそうだろうか。

「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)を柱とする新学習指導要領の全面実施は目の前に迫り、小中学生のスマートフォンの学校持ち込み解禁もそう遠くはない。社会、子供たちの変化は、教育関係者の予想を超えて加速している。

新学習指導要領は、「何を学んだか」と同時に、「どう学んだか」、その結果として「何ができるようになるか」を重視している。既に教員の役割の変化が求められている。

記事の中で経産省の浅野大介教育産業室長は、「何かを知ることが目的ではなく、『創るために知る』と、心にとどめておかなければならない」と話している。ちなみに、浅野室長は経産省の「『未来の教室』とEdTech研究会」の担当者の一人だ。

AI時代の教育を意味するEdTech(エドテック)は、educationとtechnologyを組み合わせた造語で、キーワードの一つが「個別最適化」だ。ビッグデータの活用により発達したAIが、子供一人一人に最適化された学習を提示していく、というのがEdTechだ。

そうなると、教員の役割も変わらざるを得ない。知識を教えるだけなら、教員よりもAIの方がはるかに優れているからだ。

予定調和の指導に終始していないか

こんなことを言うと、「それはもっと未来の話」「思考力は知識なしでは育たない」「基礎・基本の知識が一番重要」などの反論も出てくるだろう。

だが、このように反論する教員は、新学習指導要領で主体的・対話的で深い学びを求められて、どう対応しているのか。「ああ、話し合い学習ね。では、少しだけ取り入れてみようか」となっていないだろうか。

そこでは、教員の要所を押さえた適切な指導により、全員が活発に話し合って、正しい答えを導き出す、そんな主体的・対話的な学習が展開されているように見えるかもしれない。

しかし、普段の生徒指導などで、価値観が統一された子供たちが互いに衝突するのを回避しながら、教員が用意している「正解」を探り合っている、というのが実態ではないか。

一方、教員の側も自分が想定した「正解」に子供たちがたどり着いたことに満足する「予定調和」の指導に終わっていないか。これでは、本当の主体的・対話的で深い学びとは言えないだろう。

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