新指導計画の作成 全面実施へ仕上げを万全に

教育新聞論説委員 寺崎 千秋

小学校では新教育課程全面実施まで半年ほどのところまできた。

ここまでの新教育課程編成・実施に向けた経過や取り組みを振り返り、仕上げの見通しを立ててみる。

2016年12月28日、中教審答申。

17年3月31日、新学習指導要領告示。

17年度は新学習指導要領の趣旨の理解。道徳、総合的な学習の時間、特別活動の教育課程の編成、全体計画・指導計画の作成。

18・19年度、移行措置。

18年度から道徳、総合的な学習の時間、特別活動は全面実施となって今日を迎えている。

この間、各小学校は、中教審が目指す教育の新たな方向性や新学習指導要領の趣旨の理解を基に、学校の教育目標を見直し、この先10年の学校の教育目標を定めたことであろう。

見直した教育目標の実現に向けた教育課程の編成に際しては、「社会に開かれた教育課程」の理念に沿うよう、学校のみではなく家庭・地域とも協働し、生きる力を育むことを目的に資質・能力の育成を重視したものとなるよう創意工夫したであろう。

移行措置の実施とともに、新教育課程を絵に描いた餅に終わらせないよう、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善、およびこれと一体となったカリキュラム・マネジメントの充実による教育の質の向上にも取り組んできたであろう。着実に進めてきているだろうか。

続いて、この夏に新教育課程の主たる教材となる新教科書が採択され、学校が使用する教科書が決まった。いよいよこれを教材とする新指導計画を作成するときである。計画段階の最後の仕上げである。年間指導計画および単元指導計画まで進めることが望ましい。

とはいえ、来年4月の全面実施まで残り約半年である。夏季休業中に準備は出来ると思うが、9月に入ったらすぐスタートである。

初めに、新指導計画作成の工程表を作り、作業日程を全教職員で確認する。これと並行して新指導計画作成の組織、役割分担を確認する。各教科などの指導計画の作成は、教科書会社が提供する指導計画を参考にできる。この作業は各教科などを分担した教師が行う。

しかし、それで終わってはならない。

教育課程は資質・能力の三つの柱の育成や学習の基盤となる資質・能力の育成に向けて、教科など横断的に編成されている。また、道徳、総合的な学習の時間、特別活動、さらには体育・健康教育の全体計画も作成されている。

各教科などの指導計画は、教育課程や全体計画を基に、横断的な視点での見直しが求められる。

この作業は、例えば学年ごとに行って指導計画を組み換えていく。その上で、さらに全体の系統や関連性を確認する。これをどのように分担するかも決めておく。

このようにして教科等横断的な教育課程は年間指導計画、単元指導計画として具体化する。

余裕があれば、年間指導計画、単元指導計画に評価計画を位置付けるのが望ましい。すでに評価に関する通知は出されているが、評価規準などの具体的な資料は先送りになっているので、可能なところまででよいだろう。

指導の評価以上に学習の評価を重視している認識を深めるとともに、指導計画に評価計画を位置付け、共通理解を図っておくことが大事だ。

先のOECDの国際調査では、わが国の小中学校の授業改善が遅れている実態が明らかにされた。新教育課程に基づく新指導計画作成の作業が全面実施の準備となり、教師の意識改革、授業改善の取り組みのさらなる向上につながることを期待する。