個の解放の先にあるもの 大きな枠組みの見直しが必要なのか


国立教育政策研究所総括研究官 千々布 敏弥





ある歴史哲学者からの受け売りなのだが、近代教育は個を解放するために取り組んできた。家制度、国家制度、ムラ社会等々、個を呪縛するものはいくらでもあった。それが今日では、個が解放され、平等になった代わりに、新たな個が出現している。

新たな個とは、他とは違う独自の個である。古い呪縛から解き放たれ、皆が平等な社会を目指してきた結果、人々は平等であることを望まなくなった。皆一緒ですね、と言われると「違う」と答える人々が増えている。現代の人々は独自の個であることを望んでいる。「みんな違ってみんないい」「特別なオンリーワン」になる状態を望んでいる。

新しい個は自由だ。学校に行かない自由を持っているし、定職に就かない自由もある。……

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