学校評価・総括評価 新教育課程完全実施につなげる

教育新聞論説委員 寺崎 千秋

各学校では学校評価の総括評価を進め、次年度の準備を始めていることであろう。小学校においては、学校評価の本年度総括評価の結果を次年度の新教育課程全面実施が可能な限り完全実施に向かうよう、生かしつなげていくことが求められる。

本紙の3年前の社説「学校評価・総括評価」(2016年11月28日付)では「次期教育課程のキーワードを視点に」との見出しで、これまでの学校評価の繰り返しではなく、次期教育課程へのアプローチを意識した取り組みを求めていた。キーワードとは、「社会に開かれた教育課程」「資質・能力の三つの柱」「カリキュラム・マネジメント」「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」などである。早くも3年が過ぎた。この移行期間に新教育課程全面実施、さらに言えばその趣旨や内容を完全に実施できる準備は整っているだろうか。改めて確認したい。

「社会に開かれた教育課程へのアプローチ」では、社会や世界の状況を幅広く視野に入れ、求められる資質・能力と学校の教育目標の関連の見直し、教育課程と家庭・社会との関係の見直しなどを行い、趣旨に即した教育課程づくりに努めてきたか。

「カリキュラム・マネジメント」のアプローチでは、教科等横断的な視点での教育内容の相互関係とこれらが教育目標を踏まえているか、PDCAの一連がサイクル化して教育課程の改善に実質的に機能しているか、教育内容と教育活動に必要な人的・物的資源などを効果的に組み合わせているか、これらに取り組み、教育課程を改善してきたか。

「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」を実現する授業改善のアプローチでは、「資質・能力の三つの柱」の育成に向けた質の高い授業づくりを学校挙げて継続発展してきたか。現行の教育課程においても取り組むことが求められている言語活動の充実(言語能力の育成)、基礎的・基本的な知識・技能の活用(活用力の育成)、体験的な学習、基礎的・基本的な知識・技能を活用した問題解決的な学習(問題解決力の育成)、探究的な学習(探究力の育成)、学習の見通しと振り返りの指導(学びの継続と深まりの指導)などを深めてきたか。これらを実現するための個に応じた指導、よさや進歩、学習意欲を重視する評価などのレベルを向上させてきたか。その結果を指導計画の改善、教育課程の改善につなげてきたか。

学校評価では以上の点だけではなく、教育課程を円滑かつ効果的に実施したり、これらを支えたりする教育諸条件についても行う。特に学校の働き方改革に関連する各取り組みの成果や課題を明らかにし、改革の目的である「教師がわが国の学校教育の蓄積と向かい合って自らの授業を磨くとともに日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、自らの人間性や創造性を高め、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようなる」方向に向かって進められているか。さらに、家庭や地域、社会との一体的な取り組み、チームとしての学校の在り方、コミュニティ・スクール(学校運営協議会)などに関する取り組みの方向性との関連などについても同様である。

以上のように、マネジメントサイクルを確立して新教育課程の出発に向けた確かな改善と進化を進めてきたかが問われる。今回の学校評価はいわばその仕上げであり、新教育課程を方向付ける最後の機会である。家庭・地域も巻き込みこれからの学校が向かうべき方向、具体的な取り組みをしっかりと新教育課程に位置付けられるような学校評価・総括評価となることを望みたい。子供の未来づくりの始めの一歩である。

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