VUCAの時代 学校の自衛が問われる

東大・慶大教授 鈴木 寛
何も言えなくなった文科省
2020年は新学習指導要領の実施が始まる。これまでも学習指導要領は小学校、中学校でしっかりと定着している(高校では、問題はあるが)。その成果は、OECD(経済協力開発機構)の生徒の学習到達度調査(PISA)の2018年調査で、数学がレベル5(14.0%)、レベル6(4.3%)と非常に多く、米国の3倍近くいることからも分かる。一方、読解力が下がっているのは気がかりだ。下がった理由は、自由記述問題がOECD平均をはるかに下回っていたからだ。記述・論述の学習がいかに今の中高生に重要か証拠が示された。

その意味でも、共通テストの記述式見送りは大変残念ではあったが、国立大学は記述式問題を採用するし、早稲田大学政経学部のように私立大学でも記述式問題を課す大学は増えるので、高校生の学びは思考力、判断力、表現力重視の方向に進むことは進む。

2020年は本来、こうした制度設計が終わり、それを指導する教員をサポートする体制作りに注力しなければいけなかった。……

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