住民参加の学校評価 マネジメント能力の発揮を期待(細谷美明)

教育新聞論説委員 細谷 美明

現在、各学校では本年度の学校評価が行われているが、新学習指導要領の本格実施を目前に控え、これらは、同要領がうたうカリキュラム・マネジメントの趣旨を意識した内容・方法になっているのだろうか。

文科省の第3期教育振興基本計画によれば、2022年度までに全ての公立学校に学校運営協議会制度(コミュニティ・スクール)を導入し、全ての小中学校区で地域学校協働活動(社会教育法第5条による)を推進するとしている。

それを受け、19年5月時点の全国の公立小中学校と義務教育学校におけるコミュニティ・スクールの導入率は23.7%、地域学校協働本部の整備率は50.5%、両方を整備している学校は14.1%と、ここ数年で着実にその数を増やしている(文科省「地域と学校の連携・協働体制の実施・導入状況について」)。

いまさら説明するまでもないが、コミュニティ・スクールは学校が地域住民や保護者と教育目標を共有し、協働しながら「地域とともにある学校」づくりを進める制度である。

その中で地域住民は教職員の任用に対し教育委員会に意見を述べたり、学校運営方針に意見し、承認する役目を負っている。

それに対し、地域学校協働本部は、コミュニティ・スクール以上に幅広い層の地域住民・団体が参画し、学校の教育目標を共有して、多様で継続的な活動をコーディネートする機能を持っている。地域と学校がパートナーとして連携・協力し「学校を核とした地域づくり」を目的とするものである。

前述の調査でも分かるように、将来的に大部分の学校は地域住民や団体が学校運営に直接参加することとなる。

そうなった場合、学校のカリキュラム・マネジメントの中核をなすPDCAシステムはより機能的にならざるを得ない。それが冒頭で触れた新学習指導要領の趣旨を意識したカリキュラム・マネジメントの意味である。

新学習指導要領は「社会に開かれた教育課程」の理念の下、未来の創り手となる子供たちに求められる資質・能力を育んでいくために「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」を組み立て、家庭・地域と連携・協働し見直しを図るカリキュラム・マネジメントを学校に求めている。

例えば、子供たちが社会や世界に向き合い関わり合い、自らの人生を切り開いていくために必要な資質・能力とは何かを学校の教育目標に反映し、地域と共有しなければならない。

また、学校の教育目標を踏まえた教科等横断的な視点で、その目標の達成に必要な教育内容を組織的に配列しなければならない。

そして、教育活動に必要な人的・物的資源を外部の資源も含め効果的に組み合わせなければならない。さらに、常に子供たちの姿や地域の現状に関する調査や各種データに基づき教育課程を編成し、実施・評価して改善するPDCAサイクルを確立しなければならない。

現在各学校が行っている学校評価はこれらの項目が盛り込まれているのであろうか。

新学習指導要領の趣旨を地域などにも説明し学校教育目標を設定しているか、成果が十分でない活動の分析と来年度の展望を地域と協議しているのか、学校関係者評価や保護者からの評価を簡略なアンケートで済ませていないか、などが留意点となる。

評価のための評価にならないよう今一度学校経営者としてのマネジメント能力を発揮してもらいたい。


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