1年のまとめ 休校でも進級に希望を持たせよう(寺崎千秋)

教育新聞論説委員 寺崎 千秋

単なる家庭学習だけでなく

3月、年度末。本来なら1年の教育の総まとめ、総仕上げの大切な時期である。だが残念ながら、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、多くの学校が臨時休校している。子供たちは家庭学習となった。

長期の休みに対応できるよう、学校・教員はさまざまに配慮した取り組みを実施していることだろう。感謝あるのみである。子供たちのためにあえて確認し、お願いしたいことがある。

1年の総まとめ・総仕上げのとき、学校としてこの大切な時期を踏まえ、単なる家庭学習や年度・学期末の復習の指示で終わらせずに、子供たちが1年の学びを振り返り、自らの成長や進歩、向上、自信を自覚できるよう配慮してほしい。4月からの進級・進学への希望や自覚が持てるような取り組みをお願いしたい。

課題提示の例

以下は、これまでの学習経験を生かした課題提示の取り組みの例である。

▽1年の主な行事などを書き込んだ年表形式のワークシートを作成する。それに子供がよくできるようになったり、頑張ったりしたことを中心に書き込み、1年間の振り返りの学習教材となるようにする。このワークシートを元に、自分の1年を振り返った感想を書いたり、次の学年に向けての抱負や希望を書いたりする。紙芝居などにしてもよいし、コンピューターソフトを活用した表現でもよいだろう。
▽国語で学習した「新聞づくり」を活用して、例えば「私の1年」を新聞にする。自分にとっての主な出来事や心に残っていることを記事にして、ベスト5などを選び順に記事にする。全体の記事=1年の自分の姿について、「社説」や「コラム」欄に思いや考え・意見などを必ず入れるようにしたい。
▽ポートフォリオを導入している学級では、代表的な作品を選択し、「今年の私のベストテン」などとしてファイルを作成し、それらの感想文や意見文を原稿用紙にまとめてみる。
▽1年間の出来事から「今年のベストテン」を選び、これらについて自評を書いてみる。例えば「今年の私」などの題でポスターを作ったり、報告文などにまとめたりできるだろう。
▽教科ごとの学習の振り返りや頑張ったこと、楽しかったことなどを1枚のカード(家にあるものを活用する)に書いて、それらを一覧に張り出してみる。全体を見て、今年の1年の学習の総まとめを文で表現する。

こうした作品は保護者に見てもらい、アドバイスをもらってさらに内容や表現をよりよいものにしたり、評価や感想を書いてもらい、作品に付け加えたりしてもよい。低学年では、保護者に協力してもらって一緒に作業するのもよいだろう。

一つの取り組み方を一斉に提示してやらせる方法もあるが、いくつか提示して選択したり、相互を関連付けたりすることもできるのではないか。生活科や総合的な学習の時間に探究的に学習した経験を生かすような取り組みができるように配慮したい。

手紙などでやり取りを

非常事態時ではあるが、このような機会を逆手にとり、子供と手紙でのやりとりでまとめや仕上げの作業を連絡したり、励ましの言葉や文を送ったり、送られてきた作品や作文に心を込めて感想を書いて送り返すこともよいのではないか。

教員はこの事態を乗り越えようといろいろ努力し、子供たちが休業期間中に少しでも楽しく学び、意義ある生活ができるように工夫していることと思う。

感染症が一時も早く収束することを祈りながら、改めてお願いする次第である。


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