9月入学制論議 教育をないがしろにしている(細谷美明)

教育新聞論説委員 細谷 美明

明治維新当初は9月入学
新型コロナウイルスが思わぬ客を連れてきた。有志の知事17人で組織する「日本創生のための将来世代応援知事同盟」が政府に出したコロナウイルス対策の共同提言の中に「9月入学制」を盛り込んだのである。この問題は国会でも取り上げられ、萩生田光一文科相は省内で検討していることを認めたという。

そもそも明治維新後、わが国が近代国家の道を歩み始めた頃、多くの制度を導入した欧米に倣い、大学は9月入学制であった(小中学校は随時入学)。それが4月入学になったのは1889年の徴兵令の改正がきっかけだった。

徴兵対象の満20歳の男子の届け出期日が9月から4月に変わり、それを受け東京高等師範学校(現在の筑波大学)が4月入学に方針転換した。……

この記事は購読会員限定です。購読を申し込むと、続きをお読みいただけます。